第二十五話 ページ27
学校につくと、ルチルが窓際の隙間から箱を取り出した。
反射する光に目が
箱で眠る彼はパパラチア。
長い髪が赤く強く輝いている。
それだけを見れば他の宝石となんら変わりはない。
ルチルがパパラチアの服のボタンを外していく。
そこから見えるパパラチアの体は、胸から腹にかけてまるで型抜きでもしたかのようにキレイな穴が無数にあいていて。
これによって、彼はその生のほとんどを眠って過ごしている。
ルチルは彼を目覚めさせるためにこれまでもさまざまな宝石を切り抜いて、彼の“パズル”を完成させようとしてきた。
カチリ、と最後のルビーをはめる音が響いた。
フォスと私は窓際の外からその様子を見ている。
パパラチアの、目が開いた。
「ふあ」
伸びをして欠伸するパパラチアに、ルチルとフォスが体をはね上げた。
「おやおや」
「今回はずいぶん派手だなあ」
声が格好いい。
起きて体を見た感想を口にするパパラチアに、ルチルは心配そうな視線を向ける。
「体調は…？」
「いいね！」
パパラチアとルビーは同属のため起動確率がいつもより高かった。
「どのくらい経った」
「二百三十一年 十一ヵ月一日です」
「大幅な記録更新だ」
二百年以上ともなると、そもそも当たり前に私とパパラチアとの面識はゼロだ。
ほんのついこの間ここに“来た”ばかりだから。
「ん？」
「二人は新入りか？」
と、フォスと私を見て言うパパラチア。
フォスは新入りではないのだが、それだけ変わってしまったということだ。
「あ！」
「いつも先生にひっついている」
「一番下のチビか！」
それに気付いた彼はフォスと軽く会話をしたあと、私の方を見る。
「おまえは新入りだな？」
「ぁ、はい」
また、軽い自己紹介を済ませた。
フォスがパパラチアを誘い、話をしに外へ出ていった。
床で眠りこけているルチルに布を被せ、私も仕事に戻ることにした。
………………
「月人と話してみたい」
「それもやっぱり悪いことかな」
「たとえば」
「俺はルチルに 俺のパズルを」
「諦めてほしいと思ってる」
「ラクさせてやりたいんだ」
「でも あいつはどう受け取るだろうな」
「清く正しい本当が」
「辺り一面を傷つけ」
「全く予想外に変貌させるかもしれない」
「だから冷静に」
「慎重にな」
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翡翠(プロフ) - おうるさん» コメントありがとうございます。更新が遅くて申し訳ないです…。励みになります。 (2019年11月19日 19時) (
レス) id: 845110876f (このIDを非表示/違反報告)
おうる(プロフ) - めっっっっちゃこの作品好きです!!!!!更新頑張ってください!!(*^^*) (2019年11月19日 18時) (レス) id: 3d90f48b0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2019年8月14日 2時
