第十九話 ページ21
一応フォスからの説明も終わり皆が解散したため、私はある者を探しに行く。
こうして走っていると久々に暖かい風を感じる。
冬はコートがあってもやはり寒い。
しかしフォス一人に任せると負担が大きくなってしまうため、今後も冬は活動するつもりだ。
彼がいつもいる場所へ着き、洞穴を覗いた。
ひゅう、と冷たい風を感じた。
肝心の彼はおらず、この辺りの草原を探すことにした。
………………
遠くで、何かが光った。
走ってそこへ向かう。
いたのは、赤髪で水銀を纏っている宝石、シンシャ。
「おまえは あの時の」
私が緒の浜で倒れているのを最初に見つけたのがシンシャらしい。
それをフォスに伝え、フォスが皆に伝え＿
ということらしいが、気を失っていたため生憎記憶は無い。
「はじめまして かな」
「シンシャ」
彼の水銀は宝石の肌に触れると、そこが光を失い削り落とさなければならなくなってしまう。
そのためシンシャは学校には行かない。
皆に迷惑がかかってしまうから。
私が人間であっても気化した水銀を吸い込むとどのみち毒なため、一定の距離を保って会話している。
「おまえがなんであろうと」
「俺には近付かないほうがいい」
「うん 気を付ける」
彼は優しすぎる。
聡明で優しすぎるあまり彼自身を傷つけてしまいそうで＿儚く、脆い。
「じゃあ 私は挨拶をしにきた」
「だけ だから…」
私がそう言うと、彼はすぐに去ってしまった。
私が彼に出来ることは何もないのかもしれない。
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翡翠(プロフ) - おうるさん» コメントありがとうございます。更新が遅くて申し訳ないです…。励みになります。 (2019年11月19日 19時) (
レス) id: 845110876f (このIDを非表示/違反報告)
おうる(プロフ) - めっっっっちゃこの作品好きです!!!!!更新頑張ってください!!(*^^*) (2019年11月19日 18時) (レス) id: 3d90f48b0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2019年8月14日 2時
