第九話 ページ11
「先生が大好きだから 助けたいんです」
「えっ」
「みんなそうでしょ？」
ルチルは恥じらい、イエローは笑った。
「ともかく」
コホン、と咳払いをし、先生が続けた。
「戦闘はムリだが」
「一度 アメシストの見回りを補佐してみなさい」
フォスは確実に足を引っ張ってしまうだろう。
だが、アメシストなら……
「それと ついでに今」
「海の報告を済ませなさい」
「あっ はい！」
フォスは両足を失っている。
宝石の記憶は
そのため、欠けた分の記憶は無くなってしまうのだ。
「海は 広くて…大きくて…」
「にんげん」
「そう にんげんが…」
フォスが“にんげん”と言葉を発したとき
先生が力を入れ、机にヒビができる。
……ただ、それ以外は思い出せず話は終わった。
人間。
目の前にいるのだが。
……………
少しレッドベリルに用があることを思い出した。
思い立った私は一度部屋に戻り、レッドベリルのもとへ向かった。
「あ、君！」
私に気付いた彼はすぐに駆け寄ってくる。
「服 そのままだと可愛くないから」
「新作のモデルになってほしいんだけど」
そういえば、目が覚めたときからずっと同じ服だ。
しかし生憎、他に用があった私は申し訳ないがモデルは断ることに。
「そのことなんだけど」
「これ、作ってもらうことできるかな…」
私は先程部屋から持ち出した紙を渡した。
紙には、襟にファーの付いたコートの絵が描いてある。
私は冬眠をしないため、冬も通常通り起きて生活する。
外で行動していると分かるのだが、気温の変化は肌で感じるようだ。
願っても多少軽減される程度で、宝石のように気温に関係なく活動するのは不可能だった。
それ故に、厚手の上着が必要なのだ。
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翡翠(プロフ) - おうるさん» コメントありがとうございます。更新が遅くて申し訳ないです…。励みになります。 (2019年11月19日 19時) (
レス) id: 845110876f (このIDを非表示/違反報告)
おうる(プロフ) - めっっっっちゃこの作品好きです!!!!!更新頑張ってください!!(*^^*) (2019年11月19日 18時) (レス) id: 3d90f48b0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2019年8月14日 2時
