46．茜色の空 ページ47
＊
「あ〜！いたいた！」
「にゃあ！」
「佐藤先輩」
聞き覚えのある声に顔を上げると
すっかり夕焼け色になった空を背に、しろまるを抱いた佐藤さんが
のんびりとした足取りでこちらに歩いてきた。
「景瑚くんまた遅刻じゃん」
「ごめ〜ん」
木全さんがそう言うも、相変わらず佐藤さんは全く謝っていない謝罪をにこ〜っとしながら述べ
腕伝いにしろまるを木全さんに受け渡した。
「で？今回も派手にやったの？」
「俺はやってねえよ、どっちかっていうと俺たちより…」
「ソルくんと海斗くんが頑張ってくれたみたいです(笑)」
へえ〜、とにやにやした笑みを浮かべて、
すっかり土手に寝そべってしまったタンポポさんたちの傍に
佐藤さんもしゃがみこんだ。
「いっ…！！！」
「あ…すいません岡野先輩、染みました？」
そしてそんな佐藤さんの隣で、河原の斜面に座り込み、
私はソル先輩と岡野先輩の手当てをしていた。
手の切り傷を消毒し、頬や腕にできた紫色の痛々しい打撲痕に
できるだけ優しく湿布を貼っていく。
「や〜！！なんかAちゃん、ヘレンケラーに見えるな！！！」
同じような怪我で、もう手当済みのソル先輩が寝そべったままの姿で
なぜか満足げにそう言った。
「それを言うならジャンヌダルクじゃなかったっけ？」
「なんか違う気がする…」
「にゃあ…」
「…ナイチンゲールやろ」
「あー！それです港人くん！」
「潤くん、ジャンヌダルクが何って〜？」
「景瑚お前ぶっ飛ばすぞ」
「ふっ…」
いつも通りのタンポポトークが展開され
それを聞きながらにやつく岡野さんの口元にぺたりと湿布を貼る。
「できました、岡野先輩。」
「ん、さんきゅ」
無意識だったのか、すっといつもの表情に戻った岡野さんの顔を見て
少し笑いそうになった。
「にしてもAちゃん、ほんとナイスだったよ」
ふと上原さんがそう言うと、うんうんと青木くんが頷く。
「知らない学ランの方が来たときは、何事かと思いましたけどね」
実は乱闘が始まる前。私たちをあの橋の下に連れてきた学ランくんに
上原さんたちを呼びに行ってもらっていたのだ。
…私たちが追いかけまわしてる時、明らかに怖がってたから
多分この人、関係ない人なんだろうな。
と"気付いた"ら、案の定で。
「でも上原先輩たちが間に合ってくれて良かったです」
安堵の気持ちと共に、私は笑みを浮かべた。
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彗(プロフ) - まりなさん» コメントありがとうございます！西くんとけごくんの絡み自分も見たいですね…！もっとタンポポたちと八men鳥メンバーを絡ませたいんですが…また出てきてくれるでしょうか八men鳥…。どうなるか分かりませんがこれからもちょくちょく読んでくださると嬉しいです！ (2021年8月1日 18時) (
レス) id: 12b55ffeba (このIDを非表示/違反報告)
まりな(プロフ) - はじめまして！この作品凄い好きです！クンチキタンポポも八men鳥もどっちも好きなので私得でしかない作品なので作って下さってありがとうございます！個人的にまた八men鳥が出るなら西くんとサケイ推しなので2人の絡みが見たいなと思います…！ (2021年8月1日 13時) (レス) id: 5bbf9f4adb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彗 | 作成日時：2021年6月27日 11時
