33．探し人 ページ34
「え…かいさん、ですか？」
唐突に告げられた衝撃の言葉に唖然とする。
「うん」
「それはまた、どうして…」
いや、入ったその日に解散の運命を聞かされる私って一体…というツッコミは抑え、
少し寂しそうに笑う木全さんに問いかける。
「…そもそもね、潤くんは俺らを拾った時、クンチキタンポポなんて名前のついた団体として活動しようなんて思ってなくて、ただ第三体育倉庫っていうたまり場でちょっとの間俺らを匿ってただけだったんだ。
…でもね」
「…でも、なんですか？」
唇にゆっくりと弧を描いて、幸せそうに木全さんが言葉を続ける。
「…ちょうどそんな頃にさ、来たんだよね
聖波が」
「？ 青木くん？」
…なんでここで青木くんの名前が？
「"なんでも屋をやってる百一校の皆さんですよね"、"実は俺、人を探してて…"って
まだ中三の聖波がさ」
それってつまり…
「もしかしてなんでも屋のクンチキタンポポが生まれたのは…青木くんの勘違いから？」
「そうそう！Aさん、これだけでそこまでわかっちゃうなんて凄いね！」
きらきらと尊敬の眼差しを向けてくる木全さん。
そんな大したことじゃないのに…普通に照れくさい。
「つまり、俺らがなんでも屋であるのは聖波の探してる人を見つけるためだけで、
それが終われば…解散。
クンチキタンポポはさ、本当は聖波のためだけに結成された組織なんだ」
青木くんの、ためだけ。
木全さんの言葉が脳裏を反芻する。
なんだかこの一言にタンポポさんたちの優しさが詰まっているような気がした。
「皆さん、優しいんですね。」
「えへへほんとだよねえ」
…木全さんも含まれてるんだけどな。
仲間が褒められて嬉しそうな木全さんの様子に口が綻んだ。
…でも。
なら、青木くんはクンチキタンポポがなんでも屋をやってる理由を何だと思ってるんだろう。
…きっと青木くん、このこと知らないだろうし。
それに、何も解散しなくても良いのでは？
青木くんはきっと悲しむし…私も寂しい。
とめどなく疑問が浮かび上がり、
「木全さん、」
と堪らず口を開くと
バン！！！！
と、大きな音を立ててアジトの扉が開いた。
見ると、
大量の砂の袋を抱えた上原さんが
フーッフーッと鼻息を荒くして
おしゃぶりをしゃぶっていた。
『リーダー？！？！』
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彗(プロフ) - まりなさん» コメントありがとうございます！西くんとけごくんの絡み自分も見たいですね…！もっとタンポポたちと八men鳥メンバーを絡ませたいんですが…また出てきてくれるでしょうか八men鳥…。どうなるか分かりませんがこれからもちょくちょく読んでくださると嬉しいです！ (2021年8月1日 18時) (
レス) id: 12b55ffeba (このIDを非表示/違反報告)
まりな(プロフ) - はじめまして！この作品凄い好きです！クンチキタンポポも八men鳥もどっちも好きなので私得でしかない作品なので作って下さってありがとうございます！個人的にまた八men鳥が出るなら西くんとサケイ推しなので2人の絡みが見たいなと思います…！ (2021年8月1日 13時) (レス) id: 5bbf9f4adb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彗 | 作成日時：2021年6月27日 11時
