19．策士 ページ20
「もー秀ぇ！いきなりそれ流すのやめろって！」
「ははは、生歌の方が良かった？」
「そーゆー問題じゃねえよ！…あーもうびっくりした〜」
涼しい顔をして笑う笹岡さんに西さんががっくりと肩を落とす。
あれ…なんだか常習犯っぽい。
もしや笹岡さん、大人しそうに見えて
実は急に突拍子もないことをしてしまうタイプの人なのかな…？
「びっくりしたぁ…なんか今まで生きてて聞いた中で一番すごい音だった」
ふと横にいた木全先輩がそう呟き、笹岡さんのスマホを不思議そうに見つめ始めた。
…いやそれを言うなら、なんとなく木全さんも急に突拍子もないことしそうなタイプだな。
「なんだよ今の音…」
「強制ストップかけられちゃった♪」
「…いきなりめっちゃでかい音流すやん」
「鼓膜やられましたー！！！」
「ソル先輩追い討ちやめてください」
「あっ！ごめんなさぁい！！！」
「もうソルうるせーって(笑)」
どうやらタンポポさんたちもかなりダメージを受けていたようだった(？)
「はぁ…うちの秀岡がすいません」
「いや西くん素直に謝ってどうすんすか」
「あっ」
「あー鼓膜死んだけどだいじょーぶっすよ！！」
「ソルくんも素直に答えてどうすんですか(笑)」
「！ あー！！！」
真顔で小池くんにツッコまれる西さんに
青木くんに笑われるソル先輩…いや仲良しかて。
「そういえばお腹空きませんか？」
にこにこと環境に優しそうな笑顔を浮かべ、唐突に笹岡さんがそう言った。
「そういえば始業式終わってすぐしろまる追っかけたから昼ご飯食べてない…」
「俺らも食ってないな…」
はっと気づいたように上田さんと上原さんが呟くと
「じゃあラーメンでも食べません？ちょうどこの近くにラーメン屋さんあるみたいですよ」
すると、確かに、お腹空いた、一旦休戦だな、と口々に言い出すタンポポさんたちと工学科さんたち。
…男子に食べ物の話を持ちかけて言い合いを止めるなんて…笹岡さん、かなり策士だな。
「みゃあ〜♪」
そんな私の思考に同意するように腕の中の白猫ちゃんが一鳴きした。
…という訳で。
さっきまでの言い合いはなんだったのか、なぜか全員でラーメンを食べに行くことになりました。
…笹岡さんの様子をチラリと見ると
さっきと変わらないにこにこした笑顔を浮かべているものの
その裏に、どこか計算高いしたたかさが見えるような気がした。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彗(プロフ) - まりなさん» コメントありがとうございます！西くんとけごくんの絡み自分も見たいですね…！もっとタンポポたちと八men鳥メンバーを絡ませたいんですが…また出てきてくれるでしょうか八men鳥…。どうなるか分かりませんがこれからもちょくちょく読んでくださると嬉しいです！ (2021年8月1日 18時) (
レス) id: 12b55ffeba (このIDを非表示/違反報告)
まりな(プロフ) - はじめまして！この作品凄い好きです！クンチキタンポポも八men鳥もどっちも好きなので私得でしかない作品なので作って下さってありがとうございます！個人的にまた八men鳥が出るなら西くんとサケイ推しなので2人の絡みが見たいなと思います…！ (2021年8月1日 13時) (レス) id: 5bbf9f4adb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彗 | 作成日時：2021年6月27日 11時
