第28話 ページ28
まだ続けると言い張ったAのことを無視し、伏黒は強制的に鍛錬を終了させた。
Aはまだムスッとした顔を浮かべているが、
稽古をつけてもらっている側なこともあって反論は出来なかった。
「せっかく時間あるんだしさ、今からみんなで人生ゲームでも..........っ、！」
「....ん？どうした？」
鍛錬場から戻り廊下を歩いていたAは、途端に足を止めて切羽詰まった表情を浮かべた。
少ししてその人影が伏黒にも見え、
なぜAがこの表情を浮かべているのかなんとなく察しがついた。
一歩下がって逃げそうになっているAの腕を伏黒が引っ張る。
そして背中を叩き、『逃げるな、ちゃんと向き合え』と小声で言った。
「よお、反抗期のAじゃねえか。」
「...真希さん。」
「...なんか前より恵との距離近づいたか？お前らいつの間にデキてたのかよ。」
「.....あの、真希さん。...この前はすみませんでした。」
「この前？」
「はい。『落ちこぼれなら人一倍努力しなきゃいけないって考えを押し付けて来るな』って、
いきなり怒鳴っちゃってすみませんでした。...完全に自暴自棄になってました。」
「ああ、それか。...別に構わねえよ。確かに私はお前にその考えを押し付けてた。
私が謝んなきゃなれねえくらいだ。...これだから真依にも嫌われちまったっていうのに、
本当学ばねえよな。」
「い、いえ！真希さんが謝ることないんです！逆に私は、すごくありがたく思ってます。
おかげで、自分が本当に目指したいものを見つけることが出来ました。
...私は、護衛兼側近になんてなりたくなかったんです。」
真希はその言葉を聞いて、少し驚いた表情をした。
「隠してただけなんです。
真希さんと同じ思いだったのに、それを否定したくて真希さんに当たった。
...優秀な私も、人に気遣いのできる私も、全部全部嘘だったんです。」
「全部、嘘....そうか。
お前はこれを聞いて私がお前のこと嫌いになるとか思ってんのかもしんねえけど、
そんな気持ちはこれっぽっちもない。お前の本心がこれなら、別にいいんじゃねえのか。」
「優等生のAも好きだけど、今のAも好きだぜ？
...だから、そんな気にすんな。」
「...真希さん....」
真希はAのことを優しく抱きしめ、『もう隠すのはやめろよ』と優しい声色で言った。
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吹雪 - 愛のちからってすごいんだなって思いました。少しずつ薬じゃなくて伏黒に頼っていく…最高ですね！大好きです！完結おめでとうございます！ (2022年8月21日 11時) (
レス) @page50 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
莉愛(プロフ) - めっちゃめちゃ良い作品で泣きそうになりました最後ほんとによかったです...！他の作品も（？）応援してます〜〜！！ (2022年6月28日 19時) (レス) @page50 id: ce9925ebbb (このIDを非表示/違反報告)
ccctp(プロフ) - この展開待ってました！！面白いです (2022年1月9日 19時) (レス) @page17 id: 16646bc3ba (このIDを非表示/違反報告)
ガラシャ(プロフ) - 面白いです更新頑張って下さい❗️ (2022年1月5日 1時) (レス) @page14 id: 195258dcbf (このIDを非表示/違反報告)
ccctp(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2021年12月31日 14時) (レス) @page7 id: 16646bc3ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碓氷エマ
| 作成日時：2021年12月30日 21時
