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第27話 ページ27

「...今のタイミングで呪力量を上げて、一気に攻撃した方が多分いい。

一回深呼吸して、もう一回出来るか?」


「...うん。やってみる。」



『多分Aは、伊吹家当主になりたいなんて1mmも思ってないよ。』


そんな五条の言葉がAの頭をぐるぐると回る。


でも、そんなことはないだろうと確信しているAにとってはどうでもいい話だった。


...私は、あの家をぶっ壊したいんだ。


家族も先祖も私を馬鹿にした人も、全部全部。



「...ああ。そんな感じだ。家族の事が吹っ切れてから、前より格段に強くなったな。」


「えへへ、そうかな?...良かった。」


「でも、今日は終わりだ。お前は毎日やりすぎる癖がある。

...このままじゃ本当に体壊すぞ。」


「大丈夫だって!現に私は倒れてないし、体調不良でもない。...薬の発作以外は。」


「はぁ.....お前は薬の発作で体が弱ってるんだから、無理は駄目だ。

いくら強くなったからって体壊したら意味ないし、また振り出しに戻る。

...俺は、お前の苦しむ姿はもう見たくない。」


「本当に心配性だね〜。伏黒は。...私のこと大好きだからかな?」


「...おい。からかうな。」



そっぽを向いた伏黒の顔を覗き、Aは意地悪な笑みを浮かべた。



「...ねえ、伏黒。私、1つ気になってることがあるんだけど。」


「ん?なんだ?」


「私から薬を奪った時、伏黒は『俺のことだけを考えて死んでほしいから、

俺のせいでお前が死ぬならそれでもいい』って言ってたけど、あれって本心なの?」


「...半分本心で半分嘘だ。

俺はお前に死んでほしくないから、俺がお前を殺そうとすることはまずない。

...でも、俺の事だけを考えて死んでほしいっていうのは本当だ。」


「あの時お前は、薬を奪った俺のことが嫌いだっただろ?

だから俺のことだけを考えて死んでもらうには、俺がお前を殺すという選択肢しかなかった。

...でも今はお前が俺を好いてくれたから、その選択肢はない。」


「...ふーん、そっか。良かった。」



Aは伏黒に向けて微笑む。


その笑みには、少しの寂しさが混じっているように感じた。



「...でも、死ぬ時は絶対一緒だよ?」


「...ああ。先に死ぬなよ。」


「うーん、どうだかね...案外ころっと死ぬかも。」


「...やめろ。シャレになんねえ。」

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設定タグ:呪術廻戦 , 伏黒恵   
作品ジャンル:アニメ
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吹雪 - 愛のちからってすごいんだなって思いました。少しずつ薬じゃなくて伏黒に頼っていく…最高ですね!大好きです!完結おめでとうございます! (2022年8月21日 11時) (レス) @page50 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
莉愛(プロフ) - めっちゃめちゃ良い作品で泣きそうになりました最後ほんとによかったです...!他の作品も(?)応援してます〜〜!! (2022年6月28日 19時) (レス) @page50 id: ce9925ebbb (このIDを非表示/違反報告)
ccctp(プロフ) - この展開待ってました!!面白いです (2022年1月9日 19時) (レス) @page17 id: 16646bc3ba (このIDを非表示/違反報告)
ガラシャ(プロフ) - 面白いです更新頑張って下さい❗️ (2022年1月5日 1時) (レス) @page14 id: 195258dcbf (このIDを非表示/違反報告)
ccctp(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2021年12月31日 14時) (レス) @page7 id: 16646bc3ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碓氷エマ | 作成日時:2021年12月30日 21時

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