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第25話 ページ25

野薔薇と共に夕食を食べ終わった後、Aは職員室へと向かった。


自分が前へ進む決断を下せた理由をくれたあの人に、しっかりと事の顛末伝えたかったのだ。



「...お、Aじゃん。ちょうど話したいことがあって今会いに行こうと思ってたんだよね。」


「あ、そうだったんですか。それなら良かったです。」



五条は自身のデスクから立ち上がり、Aを連れて廊下に出た。



「で?どうしたの?」


「色々とお話ししたいことはあるんですが...まずは謝らせてください。

...本当にすみませんでした。」


「...?何がなんだか全くわかんないんだけど。」


「その....私、これまで”本気で”やってこなかったんです。

いや、本気でやってなかったというか、

本気でやってる気持ちでも手を抜いてるところがあったというか...」


「....本気で頑張ろうという気が起きなかったんだと思います。

本当は、護衛兼側近になんかなりたくなかったから。...強い呪術師になりたかった。

目の前の非術師を救い続けて、人の役に立ちたかった。」


「...でも、私は弱かったから。無理なんだって気づきました。

だから家族に求められている護衛兼側近という役割のために努力をして、

家族に褒められたいと思った。...家族に、自分も家族の一員なんだと思ってほしかった。」


「だから、必死に勉強しました。家族にいい子だと思われるように。

家族に与えられた護衛兼側近という役目を、剥奪されないように。

鍛錬だってし続けました。五条先生に色々教わって、自分だって役に立てるんだって。」


「...でも、それは本心じゃなかったから。本気だと思っていても、本気じゃなかった。」


「.....だから、ごめんなさい。あんなに指導してもらってたのに、私は中途半端でした。

先生に言われた”呪力を抑えてしまっている何か”も、

いつの間にか自分が故意的におこなっていたことが原因だったんです。」



Aは覚悟を決めた表情で、見るだけでも恐怖心の湧く五条の六眼を見つめ続けた。



「それに伏黒が気づいて、私を救い出してくれたんです。

お前は自分の思いのままに生きるべきだって。だから、私は―――!」


「もういい子を演じるのはやめます。思いのままに、強い呪術師になります。

そして、」


「伊吹家の当主に、なってみせます。」

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設定タグ:呪術廻戦 , 伏黒恵   
作品ジャンル:アニメ
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吹雪 - 愛のちからってすごいんだなって思いました。少しずつ薬じゃなくて伏黒に頼っていく…最高ですね!大好きです!完結おめでとうございます! (2022年8月21日 11時) (レス) @page50 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
莉愛(プロフ) - めっちゃめちゃ良い作品で泣きそうになりました最後ほんとによかったです...!他の作品も(?)応援してます〜〜!! (2022年6月28日 19時) (レス) @page50 id: ce9925ebbb (このIDを非表示/違反報告)
ccctp(プロフ) - この展開待ってました!!面白いです (2022年1月9日 19時) (レス) @page17 id: 16646bc3ba (このIDを非表示/違反報告)
ガラシャ(プロフ) - 面白いです更新頑張って下さい❗️ (2022年1月5日 1時) (レス) @page14 id: 195258dcbf (このIDを非表示/違反報告)
ccctp(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2021年12月31日 14時) (レス) @page7 id: 16646bc3ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碓氷エマ | 作成日時:2021年12月30日 21時

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