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第11話 ページ11

いつもの部屋。いつもの時間。


窓の外を見ると、いつものように鳥が羽ばたいている。


...朝だ。


目を覚ましたAは、昨日の出来事を思い出そうとする。



「私、あれからどうして....うぐっ、」



突然、めまいと吐き気がAを襲った。


それもそのはずだ。


Aは伏黒に気絶させられたせいで、昨日は薬を飲めていない。


ゆっくりと起き上がり、Aは伏黒を酷く憎んだ。



「最悪......こんな気持ち悪い目覚め、生まれて初めて。」



昨日、Aは伏黒に薬を奪われてしまった。


...だが、Aは伏黒に従おうとは全く思っていない。


予備の薬があるからだ。


伏黒は目の前にある薬だけで満足していたようだが、Aだってちゃんと用意周到だった。



「.....この、棚にある、はず。」



Aは必死に棚を模索する。



「..........えっ、ない....?」



背筋が凍った。


自分が薬の置き場を変えるはずがない。


絶対にここに置いたはず。


...でも、薬の姿は見当たらない。



「起きてたのか。...昨日は勝手に気絶させてごめん。悪気はなかった。」


「....っ、伏黒...?」



部屋のドアには伏黒が突っ立っていた。



「.....私の予備の薬、奪ったの?」


「ああ。奪った。お前のことだし、あれだけじゃないと思った。」


「.......返して。こっちは伏黒のせいで朝から最悪の気分なの。」


「返さない。何を言ってもそれは変わらない。...逆に俺がお前に質問させてくれ。

どうしてそんなに冷静なんだ?」


「冷静.....?」


「予備の薬まで奪われたら、お前には後がない。そうだろ?

なのにお前は乱れた様子を見せない。...なぜだ?」


「......別に、そんなことないと思うけど。返してって言ってるじゃん。」


「....そこまで頑なに言わないなら、俺が答えを当ててやるよ。」


「お前、ネットで簡単に買えるんだろ。その薬。」



伏黒はAにずいっと近づく。


......そのとおりだ。


私はいつでもスマホで薬を買うことが出来る。


届くまでは使えないかもしれないけど、伏黒に奪われたところでどうってことない。


確かにそう考えると、冷静だったのかもしれないな。



「......そうだよ。だから、薬を奪ったところで何も「そんなことはない。」


「...え?」


「俺がお前のスマホを奪ったから、お前は薬を買うことが出来ない。

...追い詰められてるのはそっちだ。A。」

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設定タグ:呪術廻戦 , 伏黒恵   
作品ジャンル:アニメ
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吹雪 - 愛のちからってすごいんだなって思いました。少しずつ薬じゃなくて伏黒に頼っていく…最高ですね!大好きです!完結おめでとうございます! (2022年8月21日 11時) (レス) @page50 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
莉愛(プロフ) - めっちゃめちゃ良い作品で泣きそうになりました最後ほんとによかったです...!他の作品も(?)応援してます〜〜!! (2022年6月28日 19時) (レス) @page50 id: ce9925ebbb (このIDを非表示/違反報告)
ccctp(プロフ) - この展開待ってました!!面白いです (2022年1月9日 19時) (レス) @page17 id: 16646bc3ba (このIDを非表示/違反報告)
ガラシャ(プロフ) - 面白いです更新頑張って下さい❗️ (2022年1月5日 1時) (レス) @page14 id: 195258dcbf (このIDを非表示/違反報告)
ccctp(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2021年12月31日 14時) (レス) @page7 id: 16646bc3ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碓氷エマ | 作成日時:2021年12月30日 21時

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