吸って、吐いて、縋る。【伏黒恵】

第2話 ページ2

「Aおはよー。今日も勉強とか流石に気持ち悪いわ。」


「そーだそーだ！たまには休め！」


「ちゃんと寝てんのか？体調管理しっかりしろよ。」


「みんな心配しすぎー。ちゃんと健康です！」



先輩三銃士が帰ってから数分。


同期の3人が教室に入ってきた。



「A、今日の昼飯奢るから宿題見せてくんない？頼む！」


「私も見せてほしいわ。ジュース奢る。」


「またやってないの！？そろそろ自立しなよ...ね、そう思うよね？伏黒。」


「......」


「...伏黒？」


「俺も...やってきてない。」


「「「え、えぇ〜！？！？！？」」」



いつもは予習も復習もバッチリな伏黒。


その伏黒が、まさか宿題をやってきていないだなんて。


3人は一斉に伏黒のところに駆け寄り、伏黒を質問攻めにした。



「え、もしかして好きな人？好きな人出来たのか！？」


「違え...」


「あ、じゃあ、お金！？貯金が遂に二桁いったとか！？」


「それも違え...」


「分かった！好きなアニメ見つけちゃったんでしょ！」


「...だから違えって！！フォローしてる飼い主さんの犬が子供産んだんだよ...

それで気になって忘れてただけだ...」


「え、あ、犬....？」


「なんかもう温度差ヤバすぎてついてけないわ。虎杖どうにかしなさいよ。」


「俺もついてけねえよ...」



クールで冷静な伏黒は、たまにこういうかわいい部分を見せてくる時がある。


そして自分が何を言ったのか理解した伏黒は、途端に照れた顔をし始めるのだ。


それを虎杖がからかって伏黒の頭をくしゃくしゃと撫でる。


これがいつものテンプレ。


Aはこれを見ると、なんだか笑みがこぼれてしまうのだった。



「まあ、今回ばかりは許しましょう！でも、次回からは見せないからね！」


「さっすがA！昼飯美味しいの奢る！」


「飲みもの、特別に高いやつでいいわ。」


「...俺もデザート奢る。」

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