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成功 ページ41

たったの1秒。



私が隙を作れば、憂太が祓ってくれる。




それは分かってるし、言う分には簡単なんだけど....



1秒だとしても、特級呪霊の隙を作り出すというのは至難の業だ。




普通の攻撃を当てたところでなんともならないよね。



やっぱり狙うべきは少しでも負傷している左足だろうか。




いや、でもさっき本気の攻撃を左足に当ててもびくともしなかったじゃないか。



どうする。どうすれば....




その間にも呪霊からの攻撃は止まない。



憂太の頬にかすり傷が付いたのが見える。





「Aちゃん」





憂太からの呼びかけに、はっと息を呑む。





「大丈夫、落ち着いて。1回深呼吸して」





言われた通りに大きく息を吸う。



ぐるぐるとしていた頭の中も、少しはっきりとし始める。





「確かに特級呪霊は強い。

正直、帰れとは行ったけど僕一人じゃ勝てなかったかもしれない」



「でも、Aちゃんは特級の僕と互角の存在なんだよ?」



「自分を信じて」





特級呪霊を前にして膨れ上がった緊張が次第に解けていく。




そうだよ、大丈夫。



私の隣には今、特級呪術師の乙骨憂太がいる。




たとえ相手が特級呪霊だとしても、負けるなんてこと有り得ない。




いつもの何倍も頭がすっきりとしている。



いつもの何倍も呪霊の動きを鮮明に捉えられる。




....ん?



どうしてこの呪霊、少し足取りが覚束ないんだろう。




あ、そうか。



私と憂太による左足への攻撃で、無意識に右足重心になってしまっているんだ。




と、いうことは....





「Aちゃん、いけそう?」



「うん、もう大丈夫」





呪力を一点に溜めて、矢のように鋭い攻撃を右足に放つ。



右足重心だった呪霊は、思わずふらりとよろけた。




もちろん憂太はその隙を見逃さない。



光の如く詰め寄り、持ち前の刀で体を一刀両断する。




粉と化しひらひらと宙に舞っていく呪霊。



ふぅ、とため息をつく憂太の姿が目に映る。





「さっすが憂太だね」



「Aちゃんこそ」





駆け寄ってくるからハイタッチでもしたいのかと思ったら、いきなり腕を引かれた。



離したくないとでも言わんばかりに強く抱きしめられる。




柔軟剤のいい匂いが、私の鼻をくすぐる。





「....Aちゃんが死ななくて良かった」



「それはこっちのセリフなんだけど....笑」





1人で戦おうとしてた馬鹿はそっちなのに。

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設定タグ:呪術廻戦 , 乙骨憂太   
作品ジャンル:アニメ
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しろりん(プロフ) - 完結おめでとうございます!憂太くんの夢主ちゃんへの過保護っぷりが…ドキドキしました…夢主ちゃん…これからは怪我に気を付けてほしいな…憂太くんとお幸せに!☺💞 (4月30日 19時) (レス) @page47 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
cloudy1_11(プロフ) - 読んでると顔が◜𖥦◝ヌフフってなっちゃいます!(謎) (1月22日 20時) (レス) @page22 id: f03e70c477 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - とっても良いお話ですね!夢主ちゃんが…憂太くんと関わる事で…どう変わっていくか楽しみです!☺ (12月31日 11時) (レス) @page17 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - スター作者おめでとうございます!これからも応援し続けたいと思います。 (12月25日 7時) (レス) @page17 id: 48af94a731 (このIDを非表示/違反報告)
さとう - 初めまして、作品めちゃくちゃ面白いです!こんな私がいつのも変ですがこれからも作品作りしてくれると嬉しいです( *´꒳`* ) (12月13日 18時) (レス) @page7 id: 81b5ea6727 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碓氷エマ | 作成日時:2023年12月10日 13時

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