眠気 ページ33
「....やっぱり眠いもんは眠いな....」
現場に着いた私は、呪霊を祓いながらもそんなことを思う。
補助監督さんの運転する車内で爆睡したにも関わらず眠気は一向に収まらない。
まあそりゃあ無理もない。
結局お風呂なり宿題なりで、私がベッドに入ることができたのは夜中の1時だ。
「高専着いたら即寝よう....」
唯一助かったのは、呪霊が全て弱いということだ。
廃ビルに4級相当の呪霊がうじゃうじゃ湧いている。
質より量の方が私的には楽だ。
だって考えることを放棄しても平気だから。
戦略を考えてどうこう....なんていうのは今の私に出来るわけがない。
「....?痛い....」
右腕に若干の痛みが走る。
見てみると、呪霊からの攻撃でかすり傷のようなものができていた。
いつもはこんな程度の呪霊じゃ怪我なんてしないのに。
睡眠というのはこんなに大事なものなのか。
まあこれくらいの傷なら別にどうってことはないけど。
「あ....今日掃除当番だ....寝た後でも許されるかな....」
誰かにメッセージを入れて変わってもらうというのも手だな。
このまま高専に着いて寝たら、多分明日の朝までぐっすりしてしまう。
誰に頼むのが一番いいかな。
憂太に頼むのは....流石に生かされている身としてはやばいな。
快く受け入れてくれそうな狗巻くんにしようかな....
「....って、危ない危ない」
ぼーっと考えていたら思わずよろけそうになった。
あと5体くらい祓ったら終わるし、さっさと終わらせて高専に帰ろう。
.
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「え、大丈夫ですか....!?その怪我....」
呪霊を祓い終えて補助監督さんの車に戻ると、酷く心配そうな目でこっちを見られた。
「ああ、擦り傷のことですか?ぼーっとしてたら怪我してたみたいで」
「高専帰ったら家入さんに見てもらったほうが....」
「めっちゃ心配性な方なんですね....?このくらい大丈夫ですよ?」
どれだけ心優しい人なんだ、この人。
かすり傷程度絆創膏貼ってたら治るし、この程度で家入さんの仕事を増やすわけにもいかない。
でも高専着いたら寝る前に絆創膏貼っとくか....
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しろりん(プロフ) - 完結おめでとうございます!憂太くんの夢主ちゃんへの過保護っぷりが…ドキドキしました…夢主ちゃん…これからは怪我に気を付けてほしいな…憂太くんとお幸せに!☺💞 (4月30日 19時) (レス) @page47 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
cloudy1_11(プロフ) - 読んでると顔が◜𖥦◝ヌフフってなっちゃいます!(謎) (1月22日 20時) (レス) @page22 id: f03e70c477 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - とっても良いお話ですね!夢主ちゃんが…憂太くんと関わる事で…どう変わっていくか楽しみです!☺ (12月31日 11時) (レス) @page17 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - スター作者おめでとうございます!これからも応援し続けたいと思います。 (12月25日 7時) (レス) @page17 id: 48af94a731 (このIDを非表示/違反報告)
さとう - 初めまして、作品めちゃくちゃ面白いです!こんな私がいつのも変ですがこれからも作品作りしてくれると嬉しいです( *´꒳`* ) (12月13日 18時) (レス) @page7 id: 81b5ea6727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碓氷エマ | 作成日時:2023年12月10日 13時