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好み ページ24

「ここらへんにあるはずなんだけど....あ、あった」





憂太は前方にある建物を指差す。



なんだか高級感に満ち溢れていて、おしゃれな雰囲気が漂っている。




....こんなすごいとこ来たの初めてだ。





「洋服屋さんは2階にありそうだね。見に行こっか」



「えーっと....私場違いじゃない?大丈夫?」



「え、なんで?」



「だ、だって身なりもちゃんとしてないし....って、あ、」





白いワンピースを着て、しっかりと化粧の施された自分の姿が鏡に映る。



....そうだ。私、野薔薇ちゃんのおかげでいつもの水簿らしい姿じゃないんだ。




ちゃんと堂々と、このおしゃれな場所で憂太の横を歩けるんだ。





「大丈夫、心配することないよ」



「ここにいる誰よりも、Aちゃんが一番可愛いから」





じゃあそこのお店から見に行こっか、と何事もなかったかのように歩き始める。



さっきからどうしてこの人はこんなことを言うんだ。



私と憂太の関係性なんて、ただの主従関係に過ぎないのに。



....可愛いなんて言葉、どうせ思ってもないくせに。





「あ、このお店....結構清楚めな服が多いね」



「これとかどう?紺色のフレアスカート」





綺麗な質感の紺色の生地に、ところどころ白色の刺繍がしてある。



派手すぎず、地味すぎず、ささやかな可愛さが感じられる。




まさに私の好みの服っていう感じだ。





「うん、めっちゃ可愛い....こういうのどタイプ」



「本当?じゃあこういうのとかも?」





次に持ってきたのは、白くて少し透け感のあるセーター。



ボタンがパールのような形になっていて、周りが金色で縁取られている。





「これもめっちゃ好み....可愛い....」





どうしてこうも私の好みドンピシャなものを持ってこれるのだろうか。



私の好みは教えたつもりがないし、

私服も常にパーカーだったからバレることないと思うんだけど。



考え込みながら憂太のことを見つめていたら、いつの間にか目が合った。





「ん、どうしたの?」



「いや、どうしてそんなに私の好みが分かるのかなって....」



「あー、なんだそんなことか」



「視線を追えばすぐ分かるよ。

こういう、少しメルヘンで清楚な服に惹かれてそうだなーってね」





そんなに表情に出した覚えはないけど、案外分かるものなのか。



憂太の洞察力には思わず目を見張る。




誰に対してもこんな感じなら、いっそ怖いとまであるかもしれないな。

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設定タグ:呪術廻戦 , 乙骨憂太   
作品ジャンル:アニメ
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しろりん(プロフ) - 完結おめでとうございます!憂太くんの夢主ちゃんへの過保護っぷりが…ドキドキしました…夢主ちゃん…これからは怪我に気を付けてほしいな…憂太くんとお幸せに!☺💞 (4月30日 19時) (レス) @page47 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
cloudy1_11(プロフ) - 読んでると顔が◜𖥦◝ヌフフってなっちゃいます!(謎) (1月22日 20時) (レス) @page22 id: f03e70c477 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - とっても良いお話ですね!夢主ちゃんが…憂太くんと関わる事で…どう変わっていくか楽しみです!☺ (12月31日 11時) (レス) @page17 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - スター作者おめでとうございます!これからも応援し続けたいと思います。 (12月25日 7時) (レス) @page17 id: 48af94a731 (このIDを非表示/違反報告)
さとう - 初めまして、作品めちゃくちゃ面白いです!こんな私がいつのも変ですがこれからも作品作りしてくれると嬉しいです( *´꒳`* ) (12月13日 18時) (レス) @page7 id: 81b5ea6727 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碓氷エマ | 作成日時:2023年12月10日 13時

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