主従関係【乙骨憂太】

仲間 ページ3

訳もわからないまま乙骨くんに手を引かれて、呪術高専の内に入る。



入口付近には女の子1人、男の子1人、パンダ一匹が私達を待っているようだった。




.....私は乙骨くんに許されたのか？



ていうかなんでパンダ....？





「おい憂太。無茶すんなって言っただろ。

何結構いい勝負してたくせに私達にはここで待ってろって指示したんだよ」



「ごめんごめん。でも勝ったからいいでしょ？」



「ちっとも良くねえわ」





緑髪の女の子は乙骨くんを酷く心配しているように見える





「で、その呪詛師はお偉いさんに送りつけるために生かして持ってきたのか？」



「ううん、違うよ。僕たちの学年に編入させようと思って」



「ああ、そういうことか。なら今すぐ教室に....って、」



「は？」





信じられない表情で乙骨くんを数秒見つめている。



その隣にいる男の子もパンダも、理解が追いつかない顔をしていた。





「いや、お前のこと殺そうとした呪詛師だぞ！？なんか洗脳でもされてんじゃねえのかお前....」



「大丈夫、洗脳はされてないと思うよ」





乙骨くんは順を追って先程の出来事を話した。



私に警戒しながらも、3人は真剣にその話に耳を傾ける。





「.....なるほど。恨む方向を間違えただけで、もう敵意はないと」



「うん。それに彼女は人を殺してないし傷つけたこともない。

生きている限りは僕に従ってくれるらしいし、このまま上層部に送る必要はないと思うんだ」



「そうか、分かった。じゃあ私はお前を信じる。パンダと棘は？」



「異議なし」



「しゃけ！」





仲間が増えたな、なんて言いながら3人はわちゃわちゃと話している。




え、どういうこと！？



どうして私を一切疑わずに信じようとしちゃってるの.....！？





「ちょ、ちょっと待って、なんでみんなそんなに軽々と....」



「だって憂太が危険性はないと判断したんだろ？じゃあ私達はそれを信じればいい」



「もし憂太の判断が間違ってたならその時はその時だ。

全員呪詛師扱いでもれなくお縄にかけられるか殺されるだけだろ」





そんなに簡単に仲間を信じることができるんだ、この人たちは。



絶対的な信頼、友情、絆が垣間見える。




いいな、そういう関係性。





「でも憂太、一つ聞きたいことがある」



「危険性がないのは分かった。.....けど、どうしてお前はこいつを許したんだ？」

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