主従関係【乙骨憂太】

勘付く ページ16

「お、憂太じゃーん！いいところに」





五条先生は外していたサングラスをつける。



特別な何かを感じる目が隠れただけで、だいぶ私の恐怖は落ち着いたように感じた。





「大丈夫？五条先生怖かった？」



「その、怖かったっていうか、近づいちゃいけない何かを感じるっていうか.....」



「A、僕に会うなりずっと怯えてるんだよね。

呪力感知や直感が優れてる。憂太と互角だったっていうのも頷けるね〜」





一戦交えないか提案したらもっと怖がられちゃった。と五条先生は笑った。





「にしても....わざわざ守りにくるなんてよほどAのこと気に入ってるんだね」



「さり気なく後ろから抱き締めちゃってるし？」





五条先生に言われて抱き締められているという現状を思い出す。



つい恥ずかしくなって、あからさまに憂太から離れた。





「従わせるために生かしたって聞いたけど、憂太ってもしかしてAのこと―――」





途中まで言いかけたところで、五条先生は口を止めた。





「分かった分かったｗ そう睨むなって〜」



「言わないほうが憂太にとっては都合がいいってことね？」



「理解が早くて助かります」





何の話をしているのか全くわからない。



説明を求めようと憂太の方を見たが、

教えてくれなさそうにこっちを見つめ返してくるので触れないことにした。





「ていうか今、朝の6時だよ？なんで2人とも起きてんの」



「私はまだ高専に慣れなくて.....」



「僕はAちゃんに会おうとして起きたんですけど、部屋に居なかったんで探してました」



「Aに会うために起きたの？ｗ いやー、ご主人様も大変だねえｗ」





明らかに話し方が憂太を煽っている。





「私に会うために.....？何かしてほしいこととかあった？」



「いや、別にそういうわけじゃ.....」



「憂太はAに会いたかっただけだもんね？」



「......五条先生。少し黙ってもらっていいですか？」





憂太はこんなにも強そうな五条先生に楯突くことの出来るのか。



さっきから妙にあたりが強いように見える。




強くてみんなに恐れられているとばかり思ってたけど、

五条先生って案外生徒に軽くあしらわれているのかな。





「特にもう話すこともないですよね？Aちゃん、一緒に散歩でも行こっか」



「え、あ、うん。いい、けど....」



「はいはい。制服は部屋に届けとくから行ってきな〜」

呪い→←最強

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す