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温かさ ページ12

「そろそろ降りていい.....よね?」



「ん?まだ駄目だけど」



「だ、だってこのままじゃご飯食べれないでしょ!」



「食べれる食べれる」





私がこんなにもあたふたとしているっていうのに一向に降ろす気配のない憂太。



私への歓迎会っていうから嬉しかったのになんでこんなことさせられてるの.....!!




やけになって目の前にあったチキンを頬張った。





「ほら、食べれるじゃん。美味しい?」



「......美味しい......」



「ん、良かった。他のもいっぱい食べていいからね」





こんなに美味しいご飯、いつぶりだろう。



これまではバイトと呪霊狩りの毎日で、美味しいご飯なんて食べるお金も時間もなかった。




なんだか無性に胸がポカポカして、涙がこぼれ落ちる。





「......これまで大変だったよね。いいんだよ、これからは少し肩の力抜いて」



「ここには僕達がいる。

まだ信じることは出来ないかもしれないけど、いつだって頼っていいから」



「泣きたい時は我慢せず泣いていいんだよ」





憂太に頭を優しく撫でられた。



その優しい言葉が私の心を溶かして、更に涙が溢れ出る。




......本当になんなの、この人。



私に従ってもらうために生かしたはずなのに、変な命令したり私に温かい言葉をかけたりして。




分からない。本当に、憂太のことがわからない。



だからこそこれから沢山知りたい。




戦ってて思ったんだ。この人は優しい人なんだって。



私のことを生かしたのは、たしかに自分の利益のためかもしれない。



私のことなんて思い通りに出来るおもちゃのようなものとしか思ってないのかもしれない。




でも、私は乙骨憂太という存在を嫌いになんてならない。



だって彼は命の恩人であり、優しくて、温かくて、人のことを大切に出来る人だから。





「ほら、泣いてちゃご飯が美味しくなくなっちゃうよ?」



「仕方なく降ろしてあげるからさ、その代わり今日は好きなだけ食べてね」





ひょいっと軽々持ち上げられて自分の席に戻される。



みんな私のところに美味しいご飯やらお菓子やらを置いてくれた。





「なんでもっと泣くんだよw 泣いてないで食え食え」



「このパスタマジでうまいから食ってみ?」



「高菜!すじこ!」



「いや、Aちゃんは案外こういうのが好きなんじゃないかな」





こんなに食べれないよ、なんて言いながらくすっと笑ってしまった。

炭酸水→←席



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設定タグ:呪術廻戦 , 乙骨憂太   
作品ジャンル:アニメ
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しろりん(プロフ) - 完結おめでとうございます!憂太くんの夢主ちゃんへの過保護っぷりが…ドキドキしました…夢主ちゃん…これからは怪我に気を付けてほしいな…憂太くんとお幸せに!☺💞 (4月30日 19時) (レス) @page47 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
cloudy1_11(プロフ) - 読んでると顔が◜𖥦◝ヌフフってなっちゃいます!(謎) (1月22日 20時) (レス) @page22 id: f03e70c477 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - とっても良いお話ですね!夢主ちゃんが…憂太くんと関わる事で…どう変わっていくか楽しみです!☺ (12月31日 11時) (レス) @page17 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - スター作者おめでとうございます!これからも応援し続けたいと思います。 (12月25日 7時) (レス) @page17 id: 48af94a731 (このIDを非表示/違反報告)
さとう - 初めまして、作品めちゃくちゃ面白いです!こんな私がいつのも変ですがこれからも作品作りしてくれると嬉しいです( *´꒳`* ) (12月13日 18時) (レス) @page7 id: 81b5ea6727 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碓氷エマ | 作成日時:2023年12月10日 13時

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