調理 ページ9
「.....先輩。やっぱりもう一回戦しましょう」
「だーめ。今日のご飯当番はAちゃんだよ」
....今日はどうしても乙骨先輩の手料理が食べたかったのに。
だってここ最近はお互いに夜の任務が多くて、一緒に夜ご飯を食べる機会が少なかったんだ。
だから今日をずっと楽しみにしてた。
なのに負けるなんて.....完全に誤算だ。
「まあ、一緒に夜ご飯食べる機会なんていくらでもあるんだからさ。
次は勝てばいいんじゃない?」
「私は毎回乙骨先輩の料理がいいんです.....」
「そんなこといったら僕だって毎回Aちゃんの料理がいいよ」
お互いそういう風に思ってるから毎回戦ってるんでしょ?と正論をぶちかまされた。
「今日は何作ってくれるの?」
「んー、オムライスでも作ろうかなって」
「材料足りる?僕なんか買ってこよっか?」
「多分大丈夫です。オムライスの具材ならあった気がします」
さらっとお使いに行こうとしてくれた乙骨先輩。
....本当にいい彼氏すぎる。
料理は彼女が作るもの、っていう固定概念がないのも自分的にすごく嬉しい。
例え先輩後輩関係だとしても、そういうの関係なく平等だと思ってくれているのが心地良いんだ。
「Aちゃんって....案外包丁捌き上手いんだね」
「まあ、残念ながら手料理振る舞う回数多いんで....」
「あ、そっか。Aちゃん負ける回数多いもんね」
「つ、次からは毎回勝ちますから!覚悟しててください!」
人参を細かく切っていたらさらっと煽られた気がした。
確かにそう考えると、私の勝率って35%くらいな気がしなくもない。
乙骨先輩が料理作ってくれるのレアな感じするしな.......
「え、ちょ....!?危ないですよ...?」
「大丈夫大丈夫。ちょっとだけだから」
そんな事考えてたら、後ろから優しく抱きしめられた。
じわじわと背中から伝わってくる温もり。
乙骨先輩の匂いが頭に充満して、上手く手が進まない。
「このままじゃ上手く作れない、から....離してください」
「へぇー。続き欲しくなって集中できないんだ」
「て、手が動かしずらいだけですから!そんなんじゃ....ない、から」
「じゃあ僕も包丁握ってあげるからこのままでいいよね」
「ちょ、そういうことじゃ.....!」
私の手の上に先輩の手が重なる。
「絶対分かっててやってるでしょ......」
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ナミ(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉 私も,この作品が好きなので続編希望です。でも,新作も見てみたいです!これからもがんばってください! (6月12日 17時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず七味(プロフ) - 完結おめでとうございます🙋読んでて最高でした!新作みてみたい気もしますが、続編希望です!!これからも素敵な作品をお恵みください(?) (6月12日 15時) (レス) @page47 id: 472c7aa5ca (このIDを非表示/違反報告)
レイあむ(プロフ) - 完結おめでとうございます!陰ながらいつも応援して良かったです(`;ω;´)新作みたいですなあ、体に起きおつけて! (6月12日 9時) (レス) @page47 id: 8d20a79d2b (このIDを非表示/違反報告)
らな - 完結おめでとうございます!!もうめちゃんこ面白かったです😭😭本当にありがとうございました!!!私は新作を見ていたい気もします…!これからも応援してます!! (6月12日 7時) (レス) @page47 id: e0fbbf9247 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!面白くて、それでいて胸キュンで...本当に良い作品でした!私的には新しく乙骨先輩のを書くのもありよりのありですね(((( (6月12日 6時) (レス) @page47 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碓氷エマ | 作成日時:2023年2月19日 13時