ドS彼氏な激重先輩【乙骨憂太】

暗闇 ページ45

「はぁ.......」





ベッドに突っ伏してため息をつく。




......あんなこと、みんなの前でされるなんて思わないじゃん。



しかも超絶深いやつ。




変な声も出たし。多分、やばい顔もしてたし。



明日からどんな顔してみんなに会えばいいの........





「......とはいっても、ゲーム始めたのも勝手に負けたのも私なんだけどね」





自分で言っていて辛くなる。



確かにみんなの前でキスをさせられたのは乙骨先輩のせいだけど、元凶は私だ。




しかも先輩に関してはお酒飲んじゃって酔ってたみたいだし.....



容易に責めることもできない。




......いやまあ先輩も十分悪いと思うけどね！？




乙骨先輩にお怒りのメッセージを送ろうと、カバンからスマホを漁る。





「......あれ、ない」





もしかして共有スペースに置いてきたかな。



何も考えずに駆けてきちゃったもんな......




まあ多分共有スペースにはもう誰もいないし、今のうちに取ってきちゃおう。



もうあれから40分くらい経ったし、きっとみんなもう解散してるよね。





.





.





.





「えっと、スマホは......」





夜だし電気をつけたらいけないと思い、真っ暗闇で床を探る。



指にコツンッ、と何かが当たったのを感じた。





「あ、あった」





良かった。なくなってたらどうしようかと思った。



目的も達成されたわけだし、早く部屋に戻って―――





「んんっ、！？」





腕をぐいっと後ろに引かれる感覚。



勢いのまま、ソファーにもたれかかる。





「......行かないで。Aちゃん」



「乙骨、先輩.....？」





もしかして、酔ったままここで寝ちゃったの？



暗くて何も見えないからには、状況の把握もままならない。




ただ少しアルコールの匂いが鼻をくすぐって、後ろから抱きしめられているのは分かる。





「......このまましようよ」



「まだ酔ってるんですか......？ここ共有スペースですよ」



「でもさっきはみんなの前でキスできたじゃん」



「.....あれはなかば強制的だったでしょ！」

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