episode.49 ページ49
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モーガンの後ろには、ダガーナイフが一つ。
化け物に跳ね飛ばされる瞬間に瞬時に投げた物だ。
それが空中で回転し、シュミレーション通りの動きでモーガンの首元目掛けて飛んでくる。モーガンにも、あの化け物の視界にも入っていないこれ以上とない好機だった。
しかし、結果的にそれはただ頬を撫でていっただけだった。
「……詰めが甘いか。確かにそうかもな。だがどうやら天は私に味方したらしい」
確かに首元に向けられていたダガーナイフは、モーガンが軽く横に動いたことでその機動がズレていた。
地面に落ちたダガーナイフを拾い、それはどこかへと投げ捨てられる。
_____運に負けたのか、俺は。
「お前が勘でこいつの攻撃を避けられたのも所詮は運、そして私がこのナイフを避けられたのも所詮運。ただタイミングが悪かっただけだ、気にするな」
「……煽ってんのか、お前」
平然とナイフが投げられたことにも動じない様子で、そうモーガンは口にする。動じていないのは読まれていたからなのか、それともこいつの肝が据わりすぎているからなのか。
ゆっくりと此方へ近付いてくる革靴の音に、焦燥感を酷く煽られていく。が、その足は俺の目の前で止まった。
「…さて、そろそろあの女の相手もしてやらなければな」
そう言い、モーガンは軽く上を見上げる。
吹き抜け構造の今の場所から、2階3階の様子はなんとなく伺えるがそこに人影など一つもない。
しかし間違いなく何かを確信しているモーガンは、ただ上を見上げている。その様子に、さっきダガーナイフを避けられたのも運ではなく、こいつが先に先にと俺の動きを読んだのではないかと思った。
_____それは間違いなく当たっている。
3階から投げ捨てられたのは発煙手榴弾。
たちまち空中で点火して、その煙が真下の今いる広間へと広がる。
「んなことしても、意味ないのにあいつ…っ」
予想通りその煙は化け物の超スピードであっという間にかき消された。
「学習しないなあの女も____」
そうモーガンが口にしかけたが、その言葉は中途半端に終わった。ただただ、呆然と真上を見上げて突っ立っているモーガン。
同様俺もゆっくりと視線を上に向けると、そこには先程までこの広間にいた化け物が、二、三階にいる自称アサシンを追おうとして何十にも張り巡らされたワイヤーに引っかかっていた。
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haiiro(プロフ) - さん» 勿体ないくらいのコメントありがとうございます！今後も地道な更新ですが、よろしくお願い致します。 (2021年7月5日 23時) (
レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
haiiro(プロフ) - きのこさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます。楽しんでもらえて何よりです…！ (2021年7月5日 23時) (レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
- 誤字失礼しました、更新いつまでも待ってます！ですm(_ _;)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
- すごい！こんな神作品見たことないです…更新いつまでも待ってるんです、無理はしないでください！初コメ失礼しましたm(_ _)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ストーリーがめちゃくちゃ面白くて引き込まれました…！神作品を作っていただきありがとうございます！！ (2021年6月27日 20時) (レス) id: 40eb1cfd02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haiiro | 作成日時：2021年1月23日 20時
