episode.47 ページ47
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取り敢えず一呼吸間を置いて、改めて奥先に佇んでいる化け物の方へと視線を戻す。数十秒経てば、恐らく先程と同じ目に見えぬ速さで此方へと飛んでくるのだろう。気を抜けば知らぬ間に首を落とされている、なんて最悪な未来が容易に想像出来てしまう。
「…この状況まじで勝ち目無くないか？」
冷静に考えるまでも無く、勝てる相手じゃない。本能がそう言っているのだ。そもそも人間と化け物という分類が違う時点で、何から何まで間違っている。
しかし、そんな絶望的状況で一つ声が上がった。
「いえ、勝算ならまだ！正直ゾムさん頼りではありますけど」
「勝算…って」
思わぬ答えが返ってきたことに耳を疑った。
あの化け物相手に勝算などあるのか？
人間を完全超越した存在であり、物理法則を無視した瞬間移動とも言えるスピード。加えてただの機械兵でも無く、知能も高いという特典付き。
事実自称アサシンの方ではなく、俺を真っ先に消しかけてきているのが何よりの証拠だ。
そんな敵相手にどんな策が___
「___まさかお前俺を囮にする気か？」
ありえる。この状況でもっとも自分自身を生かせる方法だ。こいつが何処まで意地汚いかは知らないが正直信用もへったくれも無い相手に、浮かぶ方法などこれしか検討がつかない。
「…出来る状況ならもうやってますよ。でも囮になってもらったところで、すぐ追われて殺されるのがオチですから」
出来る状況ならしてんのかよ。
段々とこいつという存在が読めてきた気がする。
しかし今迷う暇など無い。こいつが裏切る可能性もまだゼロとは言えないが、それ以前に目の前のこの化け物をどうにかするべきだ。
吟味するのも止めて、覚悟を決め自称アサシンに目を向けた。
「それで、俺は何すればええねん」
「3分間程時間稼ぎを。その間に、私があれをどうにかする策を立てます」
「3分間か…それでお前にんなこと出来るんか？」
「…出来なかったらその時はお互いの首が飛ぶだけです」
そう言われ思わず言葉が詰まる。
確実な保証などどこにも無い。選択肢が俺らにあるわけでもない。そのたった一つの策だけだ。それに賭けるしかどのみち助かるすべも無い。
なら____
「...ああもう！分かったわ！なら、任せるからな」
ここまで来たのならもうヤケだ。
その言葉に自称アサシンは強く頷き、瞬間お互い行き違う用に別方向へと駆け出した。
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haiiro(プロフ) - さん» 勿体ないくらいのコメントありがとうございます！今後も地道な更新ですが、よろしくお願い致します。 (2021年7月5日 23時) (
レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
haiiro(プロフ) - きのこさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます。楽しんでもらえて何よりです…！ (2021年7月5日 23時) (レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
- 誤字失礼しました、更新いつまでも待ってます！ですm(_ _;)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
- すごい！こんな神作品見たことないです…更新いつまでも待ってるんです、無理はしないでください！初コメ失礼しましたm(_ _)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ストーリーがめちゃくちゃ面白くて引き込まれました…！神作品を作っていただきありがとうございます！！ (2021年6月27日 20時) (レス) id: 40eb1cfd02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haiiro | 作成日時：2021年1月23日 20時
