episode.43 ページ43
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その光景に少し驚いたが、今は次の行動をどうするかを最優先に考えるべきだ。しかし頭の中には「なぜ」という疑問しか浮かび上がってこない。
「クソッ！なんで俺らの居場所が割れとんねん！」
監視カメラも兵士の目も全て眩ませたはずだ。
仮にぬかっていたとしても、間違いなく俺か自称アサシンの片方が気付いている。それほどアマチュアでいたつもりはない。
「今そんなこと考えても」
「分かっとる！やけど...っ」
...動揺を隠せていないのは俺の方かもしれない。
今まで任務遂行するのに「失敗」の二文字は無かった。なのにこの焦り様は、こいつと俺との単純な失敗経験の差なんだろう。
「とにかく一度体制を立て直して_____ 」
_____瞬間、その時が止まる。
目の前に不意に現れたのは大きな黒い影。
それを視界に捕らえたのはたった数秒で、その形すら正しく認識出来ていない。しかしそれは俺の首元へと風を切って伸び、
「ゾムさん‼︎」
考えるよか先に、反射的に首元前へとナイフを構え受け流していた。銃弾を跳ね返す時にしか精々出ることのない火花がオレンジから黄色に、そして白へと色を変えながら眩しく飛び散っていく。
その間は銃弾を受け流す数秒とはまるで比にならない。加えて重圧が腕から神経へと駆け抜けていき、足の爪先まで走っていく。
数十秒後、黒い影は首元から離れ俺達の前を抜いて廊下の奥へと加速していき、その後を追うように爆風に身体を煽られる。受け身を取る余裕もなく身体ごと吹き飛ばされ、気付いた時には床に叩きつけられていた。
「は...何が起きて...」
衝撃で身体のあちこちが痛むものの振り返り、先程の影の正体を確認しようとしたが、その正体に思わず目を見開き声を失った。
「な、んやねん、あれ」
視線の先にいたのは四足歩行である意味獣らしく、しかし兵士のように黒い鎧をその身に纏い、自分達より数メートル高さがある機械兵がその場に佇んでいた。
___否、果たしてそれを機械兵と呼ぶのか。
口がゆっくりと開き、まるで呼吸でもしているのか吐息と涎が垂れている。その異形の存在は甲高い鳴き声を発して、絶望へと叩き落とす。
声が出ないどころか身体が強張って全く動かない。それは自称アサシンも同じようで、
しかしその沈黙を打ち破る声が背中にかけられた。
「まさか直感だけで避けるとは、どこの馬の骨かと思ったがお前なら納得だな。なぁ_____
___ゾム？」
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haiiro(プロフ) - さん» 勿体ないくらいのコメントありがとうございます！今後も地道な更新ですが、よろしくお願い致します。 (2021年7月5日 23時) (
レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
haiiro(プロフ) - きのこさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます。楽しんでもらえて何よりです…！ (2021年7月5日 23時) (レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
- 誤字失礼しました、更新いつまでも待ってます！ですm(_ _;)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
- すごい！こんな神作品見たことないです…更新いつまでも待ってるんです、無理はしないでください！初コメ失礼しましたm(_ _)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ストーリーがめちゃくちゃ面白くて引き込まれました…！神作品を作っていただきありがとうございます！！ (2021年6月27日 20時) (レス) id: 40eb1cfd02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haiiro | 作成日時：2021年1月23日 20時
