episode.37 ページ37
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「そこは嘘でも殺す言わんか普通？」
「切り捨てるなら勝手に切り捨ててください。
私も、使えないと判断次第切り捨てるだけなので」
そう言うと予想外の答えが返ってきたことに驚いたのか、ポカンと口を開けたまま足を止めている。
無視して先に歩いていくと数秒後に早歩きでこちらへと向かってくるブーツの音が響いてきた。
「ほんっまにどこまでも気に食わん女やな」
わざわざ並行して歩いて悪態を突きにくるが、視線をそちらへ向ける気も起こらない。
「私もそうやって脅しにかけて人の考えを探ろうとしてくる図々しさが気に食わないです」
ただそう言葉をこぼすとゾムさんは舌を鳴らした。
煽り返されたことに対する舌打ちでもあるのだろうが、結局答えは濁されているままのことにゾムさんは恐らく気付いている。
が故に気を悪くにさせてしまったようだ。
だとしても、
_____アサシンが人を殺さない理由
そんなこと聞いたところで、何の意味もないのは事実だ。それに答えを聞いてしまったら何て馬鹿馬鹿しいと思うだけだろうから。
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それから数十分程度歩き続けた頃から、そろそろ城付近なのか巡回の兵士たちが姿を見せるようになってきた。
とはいえ、その数は比較的少ない。情報通り本当に人は城壁の方へと回されているようだ。
「って言っても居ないわけじゃないから面倒ですね」
いかんせん地下水路から今まで侵入したことなど無い。人数差では当たり前だが向こうのほうが勝っている。麻酔弾は出来るだけ温存しておきたいし、さてどうしたもんか。
「___面倒？何言うてんねん」
「え？」
聞き返そうと振り返れば忽然とゾムさんの姿は消えていた。代わりに先ほどまで兵士が居た位置から小さな悲鳴が上がる。
もう一度振り返って見てみれば、一人二人と軽々ナイフ片手に殺っていっているゾムさんの姿があった。
その現場を目撃した別の兵士が連絡しなければと慌ててインカムに手を伸ばすが間髪入れずに、首へと一撃。
あまりに早すぎる一連の流れに、この間がたったの数秒であることに驚きを隠せないでいた。
「は....はは。これ私付いてくる意味ありました？」
その言葉も聞こえていないのか、ゾムさんは終始笑顔。その姿はまるで血に飢えた吸血鬼そのものだった。
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haiiro(プロフ) - さん» 勿体ないくらいのコメントありがとうございます！今後も地道な更新ですが、よろしくお願い致します。 (2021年7月5日 23時) (
レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
haiiro(プロフ) - きのこさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます。楽しんでもらえて何よりです…！ (2021年7月5日 23時) (レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
- 誤字失礼しました、更新いつまでも待ってます！ですm(_ _;)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
- すごい！こんな神作品見たことないです…更新いつまでも待ってるんです、無理はしないでください！初コメ失礼しましたm(_ _)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ストーリーがめちゃくちゃ面白くて引き込まれました…！神作品を作っていただきありがとうございます！！ (2021年6月27日 20時) (レス) id: 40eb1cfd02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haiiro | 作成日時：2021年1月23日 20時
