episode.36 ページ36
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第一の関門はロボロさんのおかげで突破できたが、ここからは完全に自分達の腕と運に左右されてくる。
ここから先、一瞬たりとも警戒は解けない。
目視出来る衛兵含めて、目視が出来ない衛兵にも注意しつつ路地裏を通り抜けて目的地の真上まで到着。
真下にはマンホール。侵入経路としてはまだ安全だろうけど正直ここに入るのか...と気が少し引けている。
しかしゾムさんは全く気にせずマンホールを開けて覗き込みクリア確認している。
「よし誰もおらん。流石にまだ城からも距離はあるし、巡回の兵士が居たとしても数人程度やろうから処理できるな」
そう言うと備え付けられた階段を無視して、ゾムさんは先に地下水路へと降りる。私も続いて降りるが、その瞬間鼻がひん曲がる程の異臭が鼻を突いてきた。
「...分かってはいましたけど最悪ですねここ。虫めちゃくちゃ居るし...」
「なんやアサシンの癖にこの程度にも耐性ないんか？いや、厳密にはアサシンでもないのか」
そう言われてはいるが仕事柄、こういう狭い空間も異臭の漂う空間もある程度は慣れているつもりだ。が、ここまでとなると流石の私の鼻も耐えられない。
異臭で刺激され右目から流れ出てきた涙を拭いつつ、雨で濡れてしまい重くなったマントを絞りながらゾムさんの後をついていった。
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「____なぁ、ずっと気になっとってんけどさ」
しばらく歩いた頃だろうか、周りに巡回の兵士が居ないことを確認したうえでふとゾムさんが口を開いた。
「何でアサシンやっとる癖に人殺さんの？」
純粋な疑問なのだろう。そこに悪意がある訳でも、また何か探りを入れたい訳でもなく。ただそう呟いた。
「殺そうと思えば殺れるやろ？腕が悪い訳でも無さそうやし」
「理由なんか無いです。それに話す義理も無い」
そうバッサリ切り捨てると、いつもより言い方が悪かったからかゾムさんは振り返り不愉快そうに口の端を歪める。
「義理はなくても、自分の命が惜しいと思うならここで言っておくべきやと思うけど。いざって時に切り捨てるかどうかの判断材料は一つ位あるべきやと思わんか？」
「...なるほど」
嫌でも人を殺さなければならない状況は必ずくる。そうなった時に私が一瞬でも人を殺すことに躊躇えば「切り捨てる」と言いたいのだろう。
「そんなこと心配しなくても人なんて殺しませんよ」
そう言い切るとゾムさんのしかめた面は
更に分かりやすくその顔を酷く歪めていった。
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haiiro(プロフ) - さん» 勿体ないくらいのコメントありがとうございます！今後も地道な更新ですが、よろしくお願い致します。 (2021年7月5日 23時) (
レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
haiiro(プロフ) - きのこさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます。楽しんでもらえて何よりです…！ (2021年7月5日 23時) (レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
- 誤字失礼しました、更新いつまでも待ってます！ですm(_ _;)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
- すごい！こんな神作品見たことないです…更新いつまでも待ってるんです、無理はしないでください！初コメ失礼しましたm(_ _)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ストーリーがめちゃくちゃ面白くて引き込まれました…！神作品を作っていただきありがとうございます！！ (2021年6月27日 20時) (レス) id: 40eb1cfd02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haiiro | 作成日時：2021年1月23日 20時
