episode.35 ページ35
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「次」
声の調子を落としたまま、声がかかり隣にいたゾムさんと顔を見合わせ軽く頷き、張り詰められた緊張感のまま一歩足を進ませる。
前まで出ると先程の流れと同じようにパスポートを提示し、滞在目的と滞在期間を聞かれて予習通りに答えていくと兵士は納得したのか渋々その道を開ける。
さっきの件もあってすんなり通してもらえた事に少し拍子抜けしたが、これもロボロさんのおかげだろう。
張り詰められた緊張が自分の中で解けたのを感じつつ、まだ入国審査を受けているゾムさんの方へと振り返って見てみれば何やら様子がおかしい。
「おい、お前顔をよく見せろ」
兵士がパスポートと照らし合わせるために、ゾムさんの顔を見ようとしているが深く被ったフードからは表情すら伺えない。
周りの兵士にバレない様に小さな動きでフードを取るようにジェスチャーをしてみるが、それでも何故かゾムさんはフードを取りたがらない。
まさかとは思うけど、顔バレでもしてるのだろうか。
「.....」
しかし流石に怪しまれると思ったのか、渋々そのフードを取って顔を見せると兵士は何故か驚いたように目を見開き、ゾムさんの顔をマジマジと見つめている。
「お前_______」
...まさか我々国の幹部だとバレたのだろうか？
反射的に思わずマントの中にある発煙手榴弾のピンに指をかける。
とはいえ発火させた後一体どうやってこの場を凌ぐ？
仮に幾つか発煙手榴弾を発火させて逃げ道を作るにしても、ピンを抜いてから発火するまで数秒間のタイムラグがある。
その間に上で見張りをしている兵士らに殺られるのがオチだ。
と頭の中で考えを巡らせていたが、
「_____いや、人違いか。すまないよく似た知り合いが居たものだから。通りなさい」
その言葉に、張り詰められた緊張感が一気に解ける。
私は発煙手榴弾のピンから指を離し、ゾムさんもまた
また深くフードを被り直し通過していく。
「____終わったかと思いましたよ」
兵士らには聞こえない位小さな声で、安堵とともに吐息が漏れ出る。この調子でこの先も続くのだと思うと気が重くなりそうだ。
「正直俺もそう思ったわ。でも取り敢えず第一関門は突破やな」
「先が思いやられますけどね」
皮肉も込めてそう言うが、完全にスルー。
もう次のことに頭が切り替わっているらしい。
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haiiro(プロフ) - さん» 勿体ないくらいのコメントありがとうございます！今後も地道な更新ですが、よろしくお願い致します。 (2021年7月5日 23時) (
レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
haiiro(プロフ) - きのこさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます。楽しんでもらえて何よりです…！ (2021年7月5日 23時) (レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
- 誤字失礼しました、更新いつまでも待ってます！ですm(_ _;)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
- すごい！こんな神作品見たことないです…更新いつまでも待ってるんです、無理はしないでください！初コメ失礼しましたm(_ _)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ストーリーがめちゃくちゃ面白くて引き込まれました…！神作品を作っていただきありがとうございます！！ (2021年6月27日 20時) (レス) id: 40eb1cfd02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haiiro | 作成日時：2021年1月23日 20時
