episode.34 ページ34
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_____ダヌラト国潜入任務一時間前
不運にも天候には恵まれず天気は大雨。
我々国からここまで来るのに骨が折れる距離だったが、これからが本番なのだと思うと大雨も相まって中々どうして気分が上がらない。
「何にせよまずは入国審査をクリアしないとな。
パスポートの確認は？」
隣に居たゾムさんの声がかかり、ぼんやりした意識も帰ってくる。
「確認済みです。行きましょう」
静かに頷き、そびえ立つ城壁の真下まで来るとダヌラト国の兵士達が入国審査を行なっている。見た感じ二人体制で捌いている。
...にしては視線が多すぎる。
大袈裟にならないよう、ゆっくりと目線を左右真上へと移動させてみればわずかに人の影が写って見える。
何かあった時の保険、と言うべきだろうか。
「次」
淡々とした口調で兵士がそう言うと、前に居た老人が大きな荷車を引いてゆっくり歩いていく。
「パスポートを」
そう言われた老人はポケットからパスポートを取り出し、兵士は半ば強引にそれを受け取りまじまじと顔確認を行っていく。
「滞在の目的は？」
「仕事だ」
「滞在期間は？」
「大体3ヶ月程」
淡々とこなされていく入国審査。
今のところはどこの国とも何ら変わりがない。
これならすんなり通してもらえそうだと思った。
_____のだが、
「この国では1ヶ月以上の長期滞在は認められていない。お帰り願おうか」
「...は？...こっちはそっちから依頼を受けてわざわざここまで来たんだぞ⁉滞在期間だってそっちからの都合で____ 」
そう言っている間に兵士は鞘から剣を抜き勢いをつけて老人の首目掛けて大きく剣を振るった。
「_____なっ」
雨水が浸透した地面に重たい音を立ててソレが転がっていく。ただただ呆然と眺めては今何が起こったのか理解できずにいた。
質問からこの老人に怪しい点は無かったはずだ。
滞在目的とその期間を聞かれただけ。
喉まで出かかった言葉を必死に押し殺していると、兵士はソレには目もくれず荷車にかけられた風除けの布を取り払い、積まれた箱を開ける。中には大麻草がこれでもかと詰まっていた。
「こちらからわざわざ依頼をしたことにも気付かんとのこのこやって来てくるとは。やはり異国人は馬鹿ばかりだな」
その兵士同士の会話から改めてこの国の用心深さを感じ取った。グルッペン・フューラーの任務をダヌラト国から受けた時は上層部からの依頼だったからか、審査は軽く済んでいたが現実はこれらしい。
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haiiro(プロフ) - さん» 勿体ないくらいのコメントありがとうございます！今後も地道な更新ですが、よろしくお願い致します。 (2021年7月5日 23時) (
レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
haiiro(プロフ) - きのこさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます。楽しんでもらえて何よりです…！ (2021年7月5日 23時) (レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
- 誤字失礼しました、更新いつまでも待ってます！ですm(_ _;)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
- すごい！こんな神作品見たことないです…更新いつまでも待ってるんです、無理はしないでください！初コメ失礼しましたm(_ _)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ストーリーがめちゃくちゃ面白くて引き込まれました…！神作品を作っていただきありがとうございます！！ (2021年6月27日 20時) (レス) id: 40eb1cfd02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haiiro | 作成日時：2021年1月23日 20時
