episode.31 ページ31
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「他に何か聞いておきたいことある？」
一時間近く睨めっこして、一通り書き殴ってもらった城内地図から目を離して気を利かせた言葉に、一瞬口を開きかける。
ここまで丁寧に説明してもらったのだ。
これ以上逆に何を聞くと言うのか。
しかし実のところ無いという訳ではない。
一つ気がかりなことがあるにはあるが、今それを聞いた所でゾムさんの信用がない私じゃ恐らくその先の実行には移せない。
「俺らに分かることだったら何でも答えるけど？」
頭を悩ませている所、こちらを伺うように声がかかる。
「…本当に大したことではないんです。ただ出来ればゾムさんには席を外してもらいたいんですけど…」
覚悟を決めてそう言うと予想通りの反応でゾムさんは、「はぁ？」と若干キレ気味に答えてきた。
「これから2人で乗り込むのに情報共有せん理由ってなんやねん。俺に聞かれたら困ることなんか？」
「別に困りはしませんよ。ただ説明したところで信用ない私じゃ納得してくれなさそうで」
「なら尚更出て行かれへんな。やっぱりお前何か企んで____ 」
有無を言わせぬ、といったばかりにゾムさんの言葉に喉が詰まる。言うが吉か、言わぬが吉か。ただこの場では間違いなくゾムさんの方が正論だ。反論する余地もないほど。
しかしそんな場を静かに眺めていたらっだぁが、ふと口を開いた。
「Aが何を聞きたいのか知んないけど、そんなにこの子が信用出来ないってなら後で俺に“情報”として買えばいいじゃん？俺に何を聞いてきたのか」
そう言うらっだぁに思わずゾムさんの口が止まる。
「それはっ…」
「良い案でしょ？でもまぁ、払ってくれたところでゾムさんに不利益になるようなことAも聞いてこないとは思うけど」
「……随分信用してるんすね」
「そりゃあ伊達に何年もやってきてるもん」
笑顔で答えるらっだぁに思わず助けられたことを感じた。長年の付き合いとはいえ徳は積んでおくもんだ。
そんな感慨を余所に、ゾムさんは口ごもって以降口を開こうとしない。
「納得してくれます？」
確認する様に聞くらっだぁにゾムさんは深々とため息をついてから、席を立ち店の外に出て行った。
「_____それで？わざわざゾムさんを追い出して聞きたいことってなんなの？」
「追い出したなんて人聞き悪い」
あながち間違いでもないけど。
「______一つ、聞きたいことがあるんです」
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haiiro(プロフ) - さん» 勿体ないくらいのコメントありがとうございます！今後も地道な更新ですが、よろしくお願い致します。 (2021年7月5日 23時) (
レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
haiiro(プロフ) - きのこさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます。楽しんでもらえて何よりです…！ (2021年7月5日 23時) (レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
- 誤字失礼しました、更新いつまでも待ってます！ですm(_ _;)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
- すごい！こんな神作品見たことないです…更新いつまでも待ってるんです、無理はしないでください！初コメ失礼しましたm(_ _)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ストーリーがめちゃくちゃ面白くて引き込まれました…！神作品を作っていただきありがとうございます！！ (2021年6月27日 20時) (レス) id: 40eb1cfd02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haiiro | 作成日時：2021年1月23日 20時
