episode.27 ページ27
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大量の資金を手に城を出てからというもの、後ろから背中でも刺すような視線を感じている。
それも仕方ないんだけど...。
にしても、何でこのタイミングでグルッペン・フューラーは依頼主をわざわざバラしてきたんだろうか。
私を同伴させる気でいるなら、今は尚更ゾムさんに無駄な警戒心を持たせる訳にいかない筈だ。だってその方が作戦に支障が出る。
「私を試してる、ってことか...」
ゾムさんに聞こえない位小さな声で呟く。
一ヶ月間様子見するとは言っていたけど、わざわざ侵入者の私に任務を任せてきている。私がどれだけ使えるのか判断する為に。
これもその内の一つなんだろう。
わざと面倒臭くしてきやがって。
思わず小さなため息が漏れる。ここに来てから何度ため息を吐いただろう。もう数えていない。
「なぁ、まだつかへんの？」
「.....もうすぐ着きます」
振り返ると、怪訝そうに私を睨みつけるゾムさんがいた。足取りは重たそうなままだ。私がちゃんと情報屋の元へと向かうのか疑っているところもあるのだろう。
にしてもやはり疑い深い。まだ他の人を寄越してもらえた方が、マシな関係築けるんじゃないだろうか。
なんて考えていると、見慣れた店が視界に入り足を止めた。その店は知る人ぞ知る、というようなこじんまりとした小さな店だ。看板にはネーミングセンスを疑う程シンプルに「Caffe」とだけ描き殴られている。
「カフェ...？」
「見せかけだけです。中はただの情報屋ですよ」
不思議そうに店を眺めているゾムさんに気にせず木製の扉を開けると、耳に心地の良い鈴の音が鳴る。
店に入ると、コーヒーの匂いがたちまち広がる。
対して広くないからこそ、充満するその香り。
相変わらず、現代的なカフェよりも小規模なその店に何処か懐かしさを感じる人も少なくないはずだ。
そんな店の奥でお世辞にも上手いとは言えない歌を口ずさみながら、派手に装飾された花柄のティーカップを片付けている男性がいた。
その男性は、鈴の音に気付いたのか歌を口ずさむのを止めてこちらの方へと振り返る。
「いらっしゃいませ、って_____ 」
「らっだぁ⁉」
「ゾムぅ⁉」
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haiiro(プロフ) - さん» 勿体ないくらいのコメントありがとうございます！今後も地道な更新ですが、よろしくお願い致します。 (2021年7月5日 23時) (
レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
haiiro(プロフ) - きのこさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます。楽しんでもらえて何よりです…！ (2021年7月5日 23時) (レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
- 誤字失礼しました、更新いつまでも待ってます！ですm(_ _;)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
- すごい！こんな神作品見たことないです…更新いつまでも待ってるんです、無理はしないでください！初コメ失礼しましたm(_ _)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ストーリーがめちゃくちゃ面白くて引き込まれました…！神作品を作っていただきありがとうございます！！ (2021年6月27日 20時) (レス) id: 40eb1cfd02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haiiro | 作成日時：2021年1月23日 20時
