episode.21 ページ21
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城を出るとすぐ真正面に広がる国内の情景に、思わず目を奪われた。潜入任務時は深夜だった為人一人見かけなかったが、今では人がごった返しショッピングを各々楽しんでいる。
そんな様子を眺めては、一瞬ここがかの我々国であることを忘れそうになっていた。
「意外と賑わってるんですね。もっと荒れてると思ってました」
「まあグルッペンが好き勝手やっとるけど、出入りに関しては比較的自由やからな」
「だから観光客も入りやすいんやけど」とゾムさんはため息混じりに呟く。ある意味自由が裏目に出ているようだ。
「でも良いじゃないですか。酷い国じゃ戦争しまくってても上で金や物資を回して、国民なんか眼中にないなんてザラですし。良い国ですね」
何処の国でも今はこの状況だ。それも突然出来た我々国に皆血相を変えているからなんだろうけど。
そんな当国は今日もある意味平和で賑やかだ。
他国の連中が可哀想にすら思えてくる。
「そうやな。ま、その良い国の総統目的に来るやつも五万とおるんやけど」
ジッと私の方を睨みつけては、「目の前にいるんやけどな」と言いたげに目で訴えてきた。
とはいえこれも仕事の内だし、私がこの国に特別恨みがある訳でも無い。それは念頭に置いてもらいたいものだけど。
そう思いつつ、相変わらず殺意が込められている目を見ないように顔を背けて街の方へと視線を戻すと、ふと男性三人と目が合った。
半袖の襟シャツに、スキニーのズボン。どこからどう見てもただの一般人だ。しかしその男性は、急いで目を逸らして駆け足でその場を離れて行った。
それがどういう連中なのかは、大方察しがつく。
「ゾムさん今の」
「ああ、観光客かもしれん追うで‼」
後を追うように私達は地面を蹴って踏み込むが、人集りのせいで見失ないそうになる。
しかし男達は素早く、人集りの多さを諸共せず上手いこと交わして時には壁さえも使って逃げ去って行く。
正直今ただ後ろを追うだけでは埒が空きそうになかった。
「...一つ提案があるんですけど良いですか？」
風が勢いよく切りつつ、同じ速さで走っているゾムさんの方へと目をやる。
「...取り敢えず聞くわ。なんや？」
「このままだと見失なう可能性が高いです。私が上から追うので、ゾムさんは下から。どうですか？」
「いいや。お前が下や。そのままとんずらされる可能性があるからな」
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haiiro(プロフ) - さん» 勿体ないくらいのコメントありがとうございます！今後も地道な更新ですが、よろしくお願い致します。 (2021年7月5日 23時) (
レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
haiiro(プロフ) - きのこさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます。楽しんでもらえて何よりです…！ (2021年7月5日 23時) (レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
- 誤字失礼しました、更新いつまでも待ってます！ですm(_ _;)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
- すごい！こんな神作品見たことないです…更新いつまでも待ってるんです、無理はしないでください！初コメ失礼しましたm(_ _)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ストーリーがめちゃくちゃ面白くて引き込まれました…！神作品を作っていただきありがとうございます！！ (2021年6月27日 20時) (レス) id: 40eb1cfd02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haiiro | 作成日時：2021年1月23日 20時
