episode.14 ページ14
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「なあ、ちょっと遊んでかへん？」
「え？」
さっきの不機嫌さは何処へやら、突拍子も無い発言を返されて思わず目が丸くなる。その言葉の前後に、関連する内容は何一つ無い。
ただゾムさんは一瞬私では無い方向に視線を投げて、戻してきた。その表情は先程までとは違い明らかに何か「良いことを思いついた」と言わんばかりの表情だ。
「いえ止めときましょう」
「まだ遊ぼうやしか言うてへんやん」
「なんか大体察しが付きます」
そう。この人とは昨日会ったばかりの仲だけどこんな表情をしている時はきっとロクでもないことを考えている時だ。
しかしゾムさんはまだ諦めてはいないようで、私の方へと指を突きつけ睨みつける。
「言うとくけどお前は侵入者。で、俺は幹部。この状況下でお前に拒否権あると思うんか？」
これ以上もない文言を言ってやったと言わんばかりに自分自身の胸元へ親指を向けていた。
「...因みに何して遊ぶんですか？」
「模擬戦や。丁度訓練用に使う中庭が近くにあることやしな」
遊びでは無いだろという突っ込みはさておき。さっき視線をどっかに投げてたのはそういうことかと頭の中で合致する。が、
「その遊び、命の保証はしてくれるんですかねぇ...？」
顔が思わず引きつり、昨晩の出来事が少しだけ脳内に映し出される。彼の戦闘スキルは並大抵どころの話ではない。それを身に染みて知ったからこそ“模擬戦”というワードにはどうにも信憑性が薄い。
「命なんて取ったりせーへんから安心しろよ。グルッペンの命令もあるしな。ただちょっとだけ三途の川が見えるかもしれんけど」
その時点でもう模擬戦という名ばかりの遊びをするのは前提なのだと落胆し肩を落とす。
「あ、因みにルール上は模擬戦用の木刀を使わなあかんねんけど...」
一瞬言葉を濁らせたが懐から一本のダガーナイフが空を切って軽く私の手元へと投げられた。
「そんなんつまらんやろ？昨日は結局中途半端に逃げられたけど、今日は絶対に逃さへんからな。勿論やるやんな？」
「.....分かりました」
威圧をかけられ渋々そう口にすると、ゾムさんの表情が明るくなった。これから戦うというのにこれだ。戦争狂いの総統に何処か面影を感じざる終えなかった。
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haiiro(プロフ) - さん» 勿体ないくらいのコメントありがとうございます！今後も地道な更新ですが、よろしくお願い致します。 (2021年7月5日 23時) (
レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
haiiro(プロフ) - きのこさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます。楽しんでもらえて何よりです…！ (2021年7月5日 23時) (レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
- 誤字失礼しました、更新いつまでも待ってます！ですm(_ _;)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
- すごい！こんな神作品見たことないです…更新いつまでも待ってるんです、無理はしないでください！初コメ失礼しましたm(_ _)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ストーリーがめちゃくちゃ面白くて引き込まれました…！神作品を作っていただきありがとうございます！！ (2021年6月27日 20時) (レス) id: 40eb1cfd02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haiiro | 作成日時：2021年1月23日 20時
