episode.13 ページ13
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一方その頃、コツコツと二人分ブーツの軽い音だけが廊下に響き渡る中、異様な空気だけが空間を支配していた。本来はここまで静かな事はまずない。兵士やメイド達の声で賑わっている筈なのだ。
だがそれもその廊下を歩く二人の雰囲気に圧倒されてか(主に少女の後ろを歩く男性に)、ただただ沈黙を守るばかりである。
一方はゆっくりと、一方は足早に。相手のペースに合わせる気はお互い全くない様だ。
「あの」
ふと足早に鳴らしていた靴音が止まり、振り返るとある程度距離を取りゆっくりと足を進めていた後ろの男性も足が止まる。
「.....なんや侵入者」
今までずっと「そこを右」「ここが食堂」程度しか口にしていなかった男性は、まさかこちら側から声をかけられると思っていなかったようで、怪訝そうに眉を寄せ相変わらず不機嫌そうに返事をする。
明らかな敵意が声色に全て詰め込まれていて、嫌でも流石に分かった。
「その...あまりにもそう殺意剥き出しで後ろ歩かれたら職業柄そわそわするんですが...」
「じゃあなんや隣でも歩けって言うんか？」
「それもそれでなんか嫌ですけど...せめてその殺意だけでもこう胸の中に収めてくれません？」
「侵入者の分際でなに言うてんねん。御託はええからさっさと歩け。」
取り付く島もなく、背中を後ろから足で乱暴に蹴られて無理やり歩かされる。
まあ意見のしようも無い。さっきはほぼグルッペン・フューラーの一方通行で話がまとまって仮契約の仲間(?)にされたが、今も昨日と変わらずお互い敵同士だ。
ただ一つ不可解な点があった。これを果たして聞いていいのか分からず、ずっと口にしなかったが好奇心に負けてしまい逆鱗に触れるのを覚悟で口を開く。
「あの...何か怒ってます？」
突拍子もない単純な質問に、目の前で佇んでいるゾムさんは先程よりもさらに顔を顰めた。
ずっと疑問に思っていた。だって隠す気なんて無いくらい、見えにくい顔に分かりやすくそう書いてある。
「.....別に」
しかしその一言で容赦も無くスパッと片付けられることになった。まあ最初から返答なんて期待していなかったけど。
それ以降特に話すこともなく廊下を歩き続けて城内を案内されていたが、ふと後ろで歩いていたゾムさんの足音が止まり背中に声を投げてきた。
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haiiro(プロフ) - さん» 勿体ないくらいのコメントありがとうございます！今後も地道な更新ですが、よろしくお願い致します。 (2021年7月5日 23時) (
レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
haiiro(プロフ) - きのこさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます。楽しんでもらえて何よりです…！ (2021年7月5日 23時) (レス) id: 5cfb19773b (このIDを非表示/違反報告)
- 誤字失礼しました、更新いつまでも待ってます！ですm(_ _;)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
- すごい！こんな神作品見たことないです…更新いつまでも待ってるんです、無理はしないでください！初コメ失礼しましたm(_ _)m (2021年7月5日 16時) (レス) id: 6216055e94 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ストーリーがめちゃくちゃ面白くて引き込まれました…！神作品を作っていただきありがとうございます！！ (2021年6月27日 20時) (レス) id: 40eb1cfd02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haiiro | 作成日時：2021年1月23日 20時
