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Aside。
あの時、新一は一番見つけやすいというオリオン座を教えてくれた。
A「オリオン座は……どれだっけ」
無数にある星。どこで区切ればいいのかも分からない。
A「確か、星が3つ並んでて人の形って言うよりは……砂時計。」
あれかなと空を指さす。
誰もいないのにね。
A「オリオン座って結局なんだったっけ?ヒーロー?神?」
『バーロー、ギリシャ神話に出てくる狩人だっつっただろ?』
『そうか狩人か。』
やっぱ覚えられないね。
脳内で再生される新一の声も、もう本当にこんな声だったかわからないよ。
耳は良くても、記憶力が良くないから、新一の事なんか忘れかけてる。
下を向いた私の目から涙が流れた。
なんで……なんでだろうね。
新一はもういない……そんな気がするんだ。
最後に声を聞いたのは、新一がいなくなる1日前。
電話をかけてきた時。
その内容は1週間後の土曜日、夜8時に米花駅。
どこに行こうとしてたかも知らない。
なんで夜なの?って聞いても答えてはくれなかった。
案の定、次の日のトロピカルランド以来居なくなってしまって、
次の週の土曜日待っていたけれど現れることはなかった。
……本当は何がしたかったの。
私には新一の考えてることが分からない。
流れ落ちる涙は止まるなんてこと知らずに溢れていく。
夜の公園ベンチで1人。
静かに泣く私はどんなに惨めだろうか。
。
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藍梨 - すっごく面白いです!この作品に引き込まれるように読んでしまいました!続き頑張ってください、応援しています! (2021年8月22日 15時) (レス) id: 42bd1ecc91 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - 彼女ちゃも、新一ことも心配しているし、大切な恋人だし、マジで、彼女ちゃが小さくなちゃたあ、続きが楽しみです (2020年10月31日 21時) (レス) id: de686f9f84 (このIDを非表示/違反報告)
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