【僕のヒーローアカデミア】無個性の私でもヒーローに… (ページ10)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:8,867 hit

No.8 ページ10

五年前…？

五年前は確か

『“毒々チェーンソー”と戦った時…？』

「あんなチンピラにやられはしないさ！」

オールマイトはグッと拳を強く握りしめた

じゃあ、一体誰に…

「これは世間に公表していない。公表しないでくれと私が頼んだ」

「人々を笑顔で救い出す“平和の象徴”は決して悪に屈してはいけないんだ」

オールマイトの瞳には強い意志を感じた

「私が笑うのはヒーローの重圧。そして内に湧く恐怖から己を欺く為さ」

『……！』

「プロはいつだって命懸けだよ。「“個性”がなくとも成り立つ」とはとてもじゃないがぁ…口に出来ないね」

『…はぁ…』

やっぱり“無個性”の私はヒーローには

＿＿＿＿＿＿＿＿なれないんだ

じわっと目尻に涙が浮かぶ

「人を助ける事に憧れるなら警察官って手もある」

オールマイトの言っていることは全部正しい

「「敵受け取り係」なんて揶揄されちゃいるが、あれも立派な仕事だ！」

オールマイトが…プロのトップが言うんだから

「………。夢見るのは悪い事じゃない」

泣いちゃ、ダメ…

「たが…相応に現実も見なくてはな少女」

そう言ってオールマイトは屋上を去った

『はあ』

＿＿＿＿＿＿＿＿＿相応に現実も見なくてはな

オールマイトの声が脳裏に響いた

＿＿＿＿＿＿＿＿＿__本格的に将来を考えていく時期だ！！

………将来…

わかっていた筈なのに…

認めたくない自分がいる

ヒーローになりたい

でも、ヒーローになれない

これが、現実…

もう、やめよう

ヒーローなんて、なれないんだから

見ないように

見ないように

ふと、目に入った不自然な騒ぎ

＿＿＿＿＿＿＿＿＿って

『………』

おいおい

自然とそちらの方に足が進む

クセで来ちゃったのかな

やめとこう今は虚しくなるだけだから

『……！？』

オールマイトが捕まえた筈の敵が

何で！？何であいつが！？

オールマイト！？逃げられたの！？

そんな筈ないっ

……落とした！？だとしたら…

『私の…せい……』

「ヒーロー何で棒立ちィ？」

「中学生が捕まってんだと」

頭が真っ白になった

私のせいだ……私のせいで…

ごめんなさいっ！ごめんなさいっ！！

すぐに…ヒーローが…ヒーローが救けて………