俺だけを見て/越前リョーマ ページ4
私と越前くんはお似合いではないと最近わかった、付き合っていると言っても部活は忙しいしなかなか時間も取れない
なによりも私は越前くんの2つも歳上
卒業したらもう大人で、その何年後かにはおばさんだ
不二くんには気が早いと言われたけど時が経つのは早いものだ
「そんなのリョーマは気にしないと思うけどな」
「わかんないよ、なんで付き合ってくれたのかも、わかんないし」
放課後、その日は不二くんと日直の仕事があって部活には行けない日で
二人で日誌を喋りながら進めもう終盤になったとき、突然の不二周助先生による相談会が開かれ、その巧妙な話術に私はまんまと洗いざらい悩みを打ち明けたのだ
「Aは好きなんだろう?リョーマのことが」
「好きだよ、でも自信もないしもし仮に無理に付き合わせているなら……」
「別れる覚悟もあるってこと?」
「……………ぅ」
「……ほんとは嫌なくせに」
不二くんは微かに微笑んで私の頭を宥めるように撫でる。こうやって時々あやされるのが同級生としては不満である
でも不二くんのなでなではとても気持ちがいいので止めはしない
「…じゃあさ、A」
「んぇ…?」
気持ちよさにうっとりとしていた私が顔を上げると、目を妖しげに細め悪魔的な笑みを浮かべた不二くんが何かを企んだように私に囁く
「試してみる?彼を」
部誌を職員室に届け二人で昇降口から出るとちょうど部活が終わったのであろうテニス部のみんなが歩いて来るのが見えた、もちろんその中に越前くんもいる、手塚くんと話しているみたいだ
「A、さっき僕が言った通りに合わせるんだよ」
「う、うん」
不二くんが私にだけ聞こえる声でいたずらに微笑む
「二人とも日直のお仕事お疲れ様ー!」
「菊丸くん、ありがとう」
「すまないね部活に参加出来なくて」
「ふたりともこれから帰りだろ?みんなで帰ろうぜ、帰りにどっか寄るのもいいし…」
「あー、ごめんね」
大石くんがそう誘った時、不二くんが申し訳なさそうに微笑んで私の肩をそっと抱く
演技だと知りながらも男の子から抱き寄せられるのは初めてで頬が熱くなるのを感じた
「これからAと約束してることがあるから」
「ふたりともなんか仲がいいにゃあー」
「付き合ってんのか?!」
「ちっ違うよ!!付き合ってない!も、もう不二くん冗談でもだめ!」
「ふふ、手強いなぁ」
作戦通りに行動しろ、という不二くんからの無言の圧力は無視をした
163人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
HarukiTakuya070(プロフ) - はじめまして、俺だけを見ての不二先輩のリョーマの呼び方ですが『越前』呼び捨てだと思います。 (2018年5月4日 5時) (レス) id: 53d7f5d75e (このIDを非表示/違反報告)
しろみや(プロフ) - 梅田さん» ご期待に添えたようで良かったです!話はもちろんですが主人公も褒めていただけて喜んでいると思います!こちらこそリクエストありがとうございました! (2018年2月18日 23時) (レス) id: e7d70fed0d (このIDを非表示/違反報告)
梅田(プロフ) - しろみやさん» 早速読ませていただきました。このお話に限らずですが、しろみやさんの書かれるヒロインちゃんがとても可愛らしくて素敵でした。書いてくださってありがとうございました! (2018年2月18日 22時) (レス) id: e6673e6f1b (このIDを非表示/違反報告)
しろみや(プロフ) - 梅田さん» 続編の方でリクエストのお話更新しておきましたのでお暇な時にぜひ読んでください (2018年2月18日 21時) (レス) id: e7d70fed0d (このIDを非表示/違反報告)
しろみや(プロフ) - 梅田さん» 長編も読んでくださってありがとうございます!宍戸さんは初挑戦ですが頑張りますね!リクエストありがとうございます! (2018年2月18日 19時) (レス) id: e7d70fed0d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ