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菊丸先輩のありがたいお言葉。それは、『押してダメなら引いてみろ』作戦
まったくろくでもない
今更押しても引いても同じですと言っても駄々をこねられたので仕方なく了承し、今日はいつもよりも多く三年の先輩方といる
そんな私を珍しいと思ったのだろう、越前くんと喧嘩でもしたのかと言われたが説明をするのもめんどくさいので首を横に振るだけにしておいた、が。それを許さぬ厄介な人が一人いることを忘れてはいけない
「へえ、昨日なんだか騒がしいと思っていたけどそういうこと」
「………はい」
不二先輩ににっこにこと質問(尋問)され、全て吐いてしまった私。「心配していたんだ」と言いながらご機嫌そうに人の不幸を楽しむ不二先輩ってやっぱりすごいなと変な尊敬をする
「それで越前とはなにか変わった?」
「………いえなにも。」
距離がさらに空いた。そして私の越前くんちびっこ可愛い症候群が再発し始めている気がする。ショタロリを撫で回したい
そう言うと不二先輩が、クスリと微笑み
「じゃあ僕の頭よしよしって撫でてみて、姉さん」
「あーーーーーーー……………可愛いしいいんですけど、身長が…」
「はい、屈んでみたよ」
「ンンンン」
美少年から姉さんと言われるのは悪い気がしない。というか興奮するな!!!
でもあまりにもアホすぎるやり取りなので不二先輩に元通り立ってもらって作戦会議を続行しようとすると、
「………ぁ」
テニス部コートのフェンスの向こう側に見える二人の姿。ジャージを着た越前くんと、三つ編みの女の子
二人は仲良さげに話をしている
「…同じクラスなのかな」
「そうだよ。仲がいいみたい」
「そっか」
二人の姿を見たくなくて、背を向ける。そんな私を見ていた不二先輩が
「…今ので諦められた?」
「………意地悪な事言わないでください」
「うん、ごめんね」
頭をよしよしと撫でられる
もし仮にあの二人が付き合っているなら、きっとこんなこと普通だし、キスも、なにもかも
「んーーー!!もうやだ!不二先輩!憂さ晴らしにちょっとだけ私とラリーしてください!!!」
「続くのかい?」
「先輩を壁だと思ってやります!」
「いい度胸してるね、その壁へし折ってあげようか」
「スイマセン」
不二先輩との半分冗談のやり取りで少し元気が出たので、ジャージをやる気満々に捲りコートへ不二先輩の手を引っ張った
越前くんがそれを見ていたのも、何も知らなかった
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HarukiTakuya070(プロフ) - はじめまして、俺だけを見ての不二先輩のリョーマの呼び方ですが『越前』呼び捨てだと思います。 (2018年5月4日 5時) (レス) id: 53d7f5d75e (このIDを非表示/違反報告)
しろみや(プロフ) - 梅田さん» ご期待に添えたようで良かったです!話はもちろんですが主人公も褒めていただけて喜んでいると思います!こちらこそリクエストありがとうございました! (2018年2月18日 23時) (レス) id: e7d70fed0d (このIDを非表示/違反報告)
梅田(プロフ) - しろみやさん» 早速読ませていただきました。このお話に限らずですが、しろみやさんの書かれるヒロインちゃんがとても可愛らしくて素敵でした。書いてくださってありがとうございました! (2018年2月18日 22時) (レス) id: e6673e6f1b (このIDを非表示/違反報告)
しろみや(プロフ) - 梅田さん» 続編の方でリクエストのお話更新しておきましたのでお暇な時にぜひ読んでください (2018年2月18日 21時) (レス) id: e7d70fed0d (このIDを非表示/違反報告)
しろみや(プロフ) - 梅田さん» 長編も読んでくださってありがとうございます!宍戸さんは初挑戦ですが頑張りますね!リクエストありがとうございます! (2018年2月18日 19時) (レス) id: e7d70fed0d (このIDを非表示/違反報告)
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