Count_3 ページ6
・
小林先生、と言ったか。あの女性は
小林先生の心地よい音色の様な声を聞きながら板書をノートに書き写す
鉛筆の柔らかいHBがノートを走り、埋めつくしていく
「はい、じゃあ牛や豚は一頭。じゃあ兎は?」
な ん だ こ の 問 題
え、小学生の最初のスタートは物質の数え方から?嘘でしょ数え方なんて母胎にいる時既に知ってるものじゃないの??
あまりにも初歩的、モラルどころの問題でもない。一体モラルに辿り着くまで何年かける気なのだろう
「はい!答えは一羽です」
クラスの誰かが元気よく手を挙げ発した
あの子誰だっけ。さっき皆が自己紹介してくれた筈なんだけどな。まぁいいや
「正解!じゃあ何故兎は一羽と数えるのかしら」
我先にと挙がっていた手が次々に下ろされていくのを見た後、あの二人に視線をやる
__江戸川コナン、それと灰原哀
理解に充分追い付く筈なのに挙手しないのは目立つ事を避ける為か、はたまた分かりきっていて発言するまでも無いのか
「__はぃ」
か細く、それでいて腕は頭上高くピンと張った
「じゃあ黒澤さん」
一気に注目が集まる
「兎を一匹と捉えないのは当時、兎の耳の部分を羽と捉えたからだと思います」
言い終えると小林先生の「正解!」と喜ぶ声が飛んできて、次に進めようとするのを遮った
「では何故牛や豚は一頭で、兎や鶏は一羽なのでしょうか」
小学校授業方針は一目見て違和感があった
あからさまに押し付けた問題の答え
何故、を深く追求させようとはしない
理屈を知らないから、簡単な数式も忘れてしまうのだ
「__リブ、ロース、肩、ハラミ、タン、ランプ、ミノ、手羽、モモ、ムネ。生物の数え方として食用に使用した際、“破棄する部分”を数えにしたという説があります」
牛や豚は頭が残る、だから一頭
兎は耳が残る。だから一羽
鶏も羽を処分する、なので一羽
それらを無視して良いのなら全て一匹と統一するべきだ
『では人間は?一人、二人もあるでしょう。人が一つで一人。人が二つで二人
__じゃあ一名、そう数える由来は?』
最早ここは私の独壇場。誰もがその真意を知りたいと固唾を飲んで見守る
...たかが物の数え方一つなのだけれど
『人は死んだら名前しか残らないでしょう?だから、一名』
ゆっくりと静かに溶け混んだ
After school_4→←イメ画(色塗りしました)or魅連から挨拶
486人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未羽(プロフ) - ジンが律儀……ギャップ……=うちの好み……!!ありがとうございます(∩ω∩*`) (2020年5月8日 18時) (レス) id: c79f5e12a9 (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - 更新再開してくれませんか? (2020年5月2日 11時) (レス) id: 1b7c1dd1e9 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - 桜猫さん» お優しくて泣きそうです!!ありがとうございます、頑張ります!! (2019年8月26日 6時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - リンドウさん» いえいえ、これからも頑張って下さい!^^ (2019年8月25日 11時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - 桜猫さん» コメントありがとうございます!!えっそうなんですね!!?!?知識不足でコナン君もレーズン駄目なんだと自己解釈してました、大変申し訳ございません!! (2019年8月25日 2時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:魅連×リンドウ x他2人 | 作成日時:2019年6月10日 1時