片目が義眼の転校生は...【名探偵コナン】

Debate＿19 ページ22

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無駄に広々とした内装


多少の居心地の悪さを感じながら螺旋階段を下る



「＿＿お目覚めになられましたか」



下りを終える、その先に怪盗キッドの姿があった



『貴方自分の家でもその格好と口調なの？』



眉をひそめたっぷり皮肉る様に顔を歪める



「そうですね、貴方が居心地の悪さを感じているのであれば本来の姿に戻しましょう」


パチンッと器用に指を鳴らすと奴は一瞬白煙に包まれ、シンプルなシャツとジーンズスタイル、加えて素顔をお披露目した


「腹、減ってるんだろ。こっちに朝食準備してっから」


紳士な口調は何処吹く風


一気に砕けた話し方へと変貌を遂げた怪盗の後ろ姿に大人しくついていった





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「そういや今日学校は？」

『あ、忘れてた』

「安心しろ。お前は休みだと連絡してある」

『まさかそれを言いたいが為だけにこの下りを？』


とんだ茶番だ。何勝手に連絡してるの。あと何で学校先知ってるの


『そういう貴方も学校でしょ？』

「俺んとこは今日創立記念日だからいーの」

『へぇ。じゃあここから通える時間と距離から算出すれば今日創立記念の学校が割り出される訳ね』


貴方の学校にリークしちゃお、と声に出してトーストにかぶりつく


一方快斗はというと小学生らしからぬ返答に苦笑いを溢す


実際の所創立記念日というのは大嘘だがAが知る由も無い



そういや...と目の前の男は怪訝に眉を寄せる



「お前何で拳銃なんて物騒なモン持ってんだ？仮にも、右も左も分かんねーガキだろ」

『子供だからっていい加減な想像しないで。それに私が拳銃所持？有り得ない。怖い夢でも見たの怪盗さん？』


おどける様に、それでいて挑発的な顔でかまかけた



「嘘つくなっての。あるんだろ？」

『ありません。ならあると証明して下さい。ラッセルのティーポットで照らし合わせれば“ある”と答えた側が立証責任を負う摂理ですよ』



証拠も無い上に証明なんて持っての他。そう考えていた私が甘かった



＿＿目の前の男は。その名を馳せる大怪盗




「こ・れ。お前のだろ？」


ニタニタと口端を上げ懐から取り出した『それ』は私の所持品、ベレッタだった



『...人の物奪っちゃいけないって教わらなかったの？』


発した言葉に拳銃を弄ぶ手をピタリと止める男



「お前には、人の命奪っちゃいけないって誰も教えてくんねーのか？」


余計なお世話だと睨んでからジャムを塗りたくったトーストにかぶりついた

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