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ﾌﾞｰﾌﾞｰとテーブルので鳴るのは彼の携帯。
小さくため息をつき電話をとる彼の姿は
男性と思えない程に妖艶だ。
内容を聞くのは失礼だろうと自分に言い聞かせ
軽く会釈して裏の方に戻った。
ホントはあまりにもタイミングの良過ぎた電話に
感謝しながら灰谷さんへの返答を放棄しただけ。
凄く失礼な事したね。
嫌われちゃったかな？
いや、良いんだそれで。
嫌われて突き放されたら、
ワタシは彼を好きになる事はない。
チクリと心が傷んで、目の前が僅かに何度も霞む。
しばらくはその度に溢れそうになる物を
唾と一緒に飲み込み、
鼻をすする音は水を流す音でかき消した。
店員は私しか居ないからお会計をしないといけない。
出来るだけ顔は上げないで、
目を合わせないように下を向いて手を動かす。
いかにも仕事に集中してる人みたいに。
態度悪いって思われちゃうかな？
そしたらもうこんな店来ないって思われるかな…。
でも、それでいいや。
それが正解だ。
結局会計でも一度も会話は無く、
彼はお釣りをもらいお店から出ていった。
誰も居なくなった閉店前のお店は、
いつもより何故か何倍も虚しくて寂しかった。
着替えて荷物をまとめて、最後にチェックして
お店を出てしっなり鍵を閉める。
外は寒くて白い息が宙に消える。
トットッとブーツがアスファルトの音を鳴らす。
そして数歩歩いて気づく。
後ろからの視線と砂利を踏む音に。
でもその時には遅くて肩を掴まれて
無理やり後ろを振り向かされた。
そこには見覚えのある顔。
最近毎日お店に来るお客さんだ。
毎度毎度気持ち悪い視線を感じて
同僚の人に庇ってもらった事がある。
スーツの上からコートを掛け、
バッグを持ってるから恐らくは会社員。
『あ、の』
｢…今日はちょっと遅かったね。｣
『…っ…！』
その言葉を聞いて全身鳥肌になる。
体の奥からゾクッと寒気がするが
それは寒さのせいではない。
｢オレ、Aちゃんの時間…把握してるから｣
『…っ…いやっ！！』
なんで名前知ってるの？
教えた覚えはない。
お店の制服にだって名前が分かるものは
付けてないのに。
｢なんで逃げようとするんだよ！｣
『…っ…！』
腕を振り払おうとしたけど
それは虚しく両肩を掴まれて壁に押し付けられた。
『やめてっ…！』
強く押し付けられ痛みに目を瞑った。
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スイ(プロフ) - 鮭るすさん» ありがとうございます！占ツクはだいたい1000文字前後の奴が人気的なの聞いたので、それなら良かったです！期待に添えますように、私なりに頑張りますから、どうぞ宜しくお願いします✨ (2021年12月7日 16時) (
レス) id: 771f7046af (このIDを非表示/違反報告)
鮭るす(プロフ) - 失礼します🙇好きな作品で更新の度楽しく拝見しております☺️私的には一話で充分な話の量で満足度高いかなと感じております...！個人の感想ですが、そのままの構成で全然バッチグーです！これからも更新楽しみです！頑張って下さい✨ (2021年12月6日 23時) (レス) @page29 id: 5e1e537420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：suiren | 作成日時：2021年11月18日 5時
