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人気のない早朝の大通り。
鼻をしげきする甘ったるい香水の臭いと
それを振りまく女を壁に追い詰める彼。
何これ。デジャブ？
いつか見た悪夢とそっくりじゃん。
正夢こっわ。
今自分はどんな顔してるんだろう。
今どうしようもなく、吐き気が迫ってきて頭がクラクラして、視界もチラチラしてる。
そんな人間の顔、少なくとも血色は良くないだろうね。
脳内につんざく甲高い耳鳴りは、それ以外の音を全て遮断していく。
私だけが、切り離され孤立した世界に呑み込まれるような感覚に陥る。
そんな真っ白で無音で、何も無い何も感じないような私を呑み込む何かから逃げるように
片手に持ったバッグを投げ出し逃げ出した。
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次々と移り変わる風景。
脳内は耳鳴りによって支配され、自分が今どこを移動してるのか、そもそも走っているのかさえ分からない。
きっとこの耳鳴りがなかったら、今頃私の耳に届いているのはコトコトとうるさいブーツの音。
頭の中にはさっきの風景が写真のフィルムのように、切り取られて焼き付いている。
『イチャつくなら場所くらい考えろ…』
声に出てるのかすら分からない文句を呟く。
いや、それ以前に振るならもっと早くに振って欲しかった。
だってそうじゃないか。
最初の方はまだどこか疑っていて、少しだけ警戒してた。
でもいつの間にか｢きっとこの人なら…｣なんてバカみたいな希望を抱いた。
バカだよ。ホントに。だって結局これだ。
信じてたのに…それなのにこんな形で振られちゃった。正直者はバカを見るってか？ふざけてるよな。
それともさ、夜中に泣いちゃう私に嫌気でもさした？私が夢の中で彼の事を疑ったから、罰が当たったの？
ねえ、恋愛の神様。そういうこと？
せめて…もっと早くに振ってくれたら…こんなに苦しまずに済んだのに。
向かい風を受けて体の表面が凄く冷たい。ただ目元だけ無駄に熱いのはきっと涙のせい。
頭に焼き付くフィルムの裏では、彼との思い出が走馬灯みたいに流れていってる。頭の中がいっぱいで現実世界の情報なんて頭に入らない。
それなのに、一つの音が割り込んで
聴覚を刺激する。
いつか聞いたクラクションの音が聞こえた。
視覚が取り入れたのは、赤くなった信号機と向かってくるトラック。多分、避けられる距離。
だけどら私は、そのまま目を瞑った。
私、また同じ死に方するんだってよ。
ホント、しょうもない死に方。
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スイ(プロフ) - 鮭るすさん» ありがとうございます！占ツクはだいたい1000文字前後の奴が人気的なの聞いたので、それなら良かったです！期待に添えますように、私なりに頑張りますから、どうぞ宜しくお願いします✨ (2021年12月7日 16時) (
レス) id: 771f7046af (このIDを非表示/違反報告)
鮭るす(プロフ) - 失礼します🙇好きな作品で更新の度楽しく拝見しております☺️私的には一話で充分な話の量で満足度高いかなと感じております...！個人の感想ですが、そのままの構成で全然バッチグーです！これからも更新楽しみです！頑張って下さい✨ (2021年12月6日 23時) (レス) @page29 id: 5e1e537420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：suiren | 作成日時：2021年11月18日 5時
