・ ページ41
・
もうきっと戻ってくることは無いであろう
マンションに背を向ける。
2人で選んだこの部屋も、一人分の荷物を
片付けたらだいぶスッキリするな。
むしろ殺風景。
彼との思い出の写真も、彼が買ってくれた
プレゼントも全部今は私のこのバッグの中。
双子の卵も、オムライス用のチキンライスも
捨ててしまった。
だってきっと彼には必要ないもの。
この品達は、ちゃんと私が処分して、
いずれ無くなる私の記憶と一緒に燃やそう。
ズボラな彼はきっとさっさと片付けないし
こうした方が、すぐに新しい彼女を
家に呼べるでしょ？
・
薄着の上着一枚に手袋とマフラー。
もっと厚着しないと寒さで死んでしまいそう
だが、今ならいっそ死んだ方が楽だと思う。
とりあえず今日泊まる場所を見つけたいし
ATMからそれなりのお金を引き出す。
どこかしばらくホテルに泊まって、
新しい家を見つけるまでそこで過ごそう。
新しい彼女ってどんな子なんだろう。
ふとそんな疑問が頭に浮かぶ。
出てきたのは、あの時一瞬だけ目が合った
私と似たような雰囲気の可愛い女の子。
絶対あの子だ。きっとそうなんだ。
可愛くて蘭くんの隣に並んでも違和感なんて
全然無くて、スタイルも抜群なあの子。
彼は仕事なんて言ってたけど、きっと
仕事なんてとっくの前に終えてたんだろうね。
それとも、同じ梵天お仕事仲間だったりするのかな。
どっちにせよ、少し前くらいから恐らく浮気されていたであろうということは変わらない。
まだ早朝だからか、一通りの少ない道で
ほんの少しだけ立ち止まり白い息を吐く。
そういえば私、昨日から寝てないや。
精神的にも身体的にも疲れているこの体。
ホテルを見つけたらすぐに休ませたいと思ったが、まだもう少し、彼との記憶を忘れたくない。
一生寝たくないなんて思えなくなるまで、
寝るのはやめておこう。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 195人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スイ(プロフ) - 鮭るすさん» ありがとうございます！占ツクはだいたい1000文字前後の奴が人気的なの聞いたので、それなら良かったです！期待に添えますように、私なりに頑張りますから、どうぞ宜しくお願いします✨ (2021年12月7日 16時) (
レス) id: 771f7046af (このIDを非表示/違反報告)
鮭るす(プロフ) - 失礼します🙇好きな作品で更新の度楽しく拝見しております☺️私的には一話で充分な話の量で満足度高いかなと感じております...！個人の感想ですが、そのままの構成で全然バッチグーです！これからも更新楽しみです！頑張って下さい✨ (2021年12月6日 23時) (レス) @page29 id: 5e1e537420 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：suiren | 作成日時：2021年11月18日 5時
