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一つ、嘘をついたんだ。
いくつもの前世の記憶を脳内で管理して
それ故に今世の何かの記憶を失っているのは事実。
家族の顔も、一部の友達との思い出なんて覚えてない。
数ある人生の中の膨大な記憶を、人間の脳
たった一つの中に収め切れるはずはない。
だから、蘭くんの記憶を忘れるというのは
ありえない話では無くて、それが怖いのも事実。
私が嘘をついたのは、泣いてしまった理由。
いつもなら彼に縋って声を殺して泣くはずが、
今日は彼から離れて泣いてしまった理由。
それは、彼がワタシから離れてしまうと思ったから。
夢を見た。
悪夢だった。
キツいお酒と甘ったるい臭いを撒き散らしながら
他の女の肩を抱いてホテルに入ってく彼の夢。
こんな夢今まででも何度か見た。
それでもやはり、怖いものは怖いんだ。
自分に自信が無いから…。
いつもは蘭くんと他の女の姿が見えなくなった時点で
その夢からは覚める。
でも今回は違かった。
その先があったんだ。
辛い現実から逃げる私。
逃げて逃げて、最終的には彼の事を
自らの意思で忘れてしまう自分がそこに居た。
目が覚めた時、生きた心地がしなかった。
だって夢の中の私は、隣で眠る彼の事を
自分の意思で忘れたんだもの。
気の所為と分かってても、夢の中で掠めた
キツいお酒と甘ったるい香水の臭いがした気がした。
このまま一緒に居たら、しがみついたら
怖くてそのまま彼の事を忘れてしまう気がした。
ここまま寝てしまったら、朝起きて
彼との今までを全て無駄にしてしまう気がした。
そばに居たいのに、居たくないって思った。
・
泣きじゃくる私に、ぶっきらぼうに、
でもどこか優しく寄り添ってくれる彼。
黒くてドロっとしたものが湧き出た気がする。
夢の中だろうと、仕事の女だろうと
そこにどんな理由があろうと
蘭くんを誰かに触れさせたくない。
私以外を見て欲しくない。
だって、私以外を見たら、目移りするかもじゃん。
そんな風に思ってしまった。
仕事だから仕方ないのにね。
彼の中で、最高級の抱擁を受けながら
行き場のない感情が溢れた。
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スイ(プロフ) - 鮭るすさん» ありがとうございます！占ツクはだいたい1000文字前後の奴が人気的なの聞いたので、それなら良かったです！期待に添えますように、私なりに頑張りますから、どうぞ宜しくお願いします✨ (2021年12月7日 16時) (
レス) id: 771f7046af (このIDを非表示/違反報告)
鮭るす(プロフ) - 失礼します🙇好きな作品で更新の度楽しく拝見しております☺️私的には一話で充分な話の量で満足度高いかなと感じております...！個人の感想ですが、そのままの構成で全然バッチグーです！これからも更新楽しみです！頑張って下さい✨ (2021年12月6日 23時) (レス) @page29 id: 5e1e537420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：suiren | 作成日時：2021年11月18日 5時
