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『蘭くん…？』
きっと今世はここまでだ。
今日私は、蘭くんに捨てられるんだ。
そうやって内心諦めてた。
なのに、体は正直だから思わず蘭くんが
前に美味しいって言ってくれたものを
沢山沢山作ってしまった。
蘭くんは食卓に並べた料理を眺めて
立ち尽くしたまま、手をつけない。
もしかして私の料理、
食べる事すらもう嫌なのかな。
そう思ったのも束の間。
一瞬で私の視界は真っ暗になり
蘭くんの腕が私の体を胸の中に引き寄せる。
｢ごめんね…｣
『蘭くん…？』
｢不安だったんだよね。俺さ、Aちゃんに嫌われたくないからって、Aちゃんを苦しめちゃった。｣
突然の出来事に頭の中はパニック。
はてなマークが永遠にグルグルしてる。
とりあえず蘭くんの口から｢不安｣って単語が出て
言葉の趣旨も理解出来ないまま彼の背中に
手を回して、あやす様にトントンとする。
｢ねえ、聞いて欲しい。｣
『な、なに…？』
｢俺ね、反社なの。｣
『え…？』
ﾊﾝｼｬ？ﾊﾝｼｬって反社？反社会的勢力のこと？
蘭くんは私を自分から少し離して｢見てて｣と
いつも閉めてあるシャツの第一ボタンに手をかける。
『あ…』
そこには、稀にテレビで見る花札のような刺青。
｢テレビとかで見たことあるでしょ？
俺、梵天なんだよ。｣
『梵天…』
｢そう。だから人殺しするし、詐欺とか闇取引とか
いろんな犯罪を犯す。
敵の情報を聞き出す為にハニートラップだって
仕掛けることもある。特に俺とか竜胆はね。｣
私の弱い頭でも、時間が経てば経つほど
蘭くんの言ってる事を自然と理解する事が出来た。
『じゃあ…たまにスーツから女物の香水の匂いが
するのって…。』
｢その日のお仕事にハニトラがあった日。｣
私にとってはその答えだけで充分だった。
｢反社だからさ…Aちゃんの事幸せに
出来ないかもだし、嫌なら俺は、これから先絶対に
Aちゃんに関わらないよ。｣
『…いやぁ。私、今嬉しい。ホッとしてる。』
｢え…？｣
『私、蘭くんに、今日振られるんじゃ、ないかって、それが、怖くて。浮気されてるのかも、って』
言葉と同時に目からポタポタと涙が溢れる。
ずっと張っていた緊張の糸が、
やっと解けて、真実を知れて…
『蘭くん、私の事、好き？』
｢当たり前じゃんか…大好き。愛してる。｣
『私も、大好き。大好きだし愛してるよ』
作者より(まだ本編続きます)→←ｶﾎﾞﾁｬﾌﾟﾘﾝ ･蘭side
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スイ(プロフ) - 鮭るすさん» ありがとうございます！占ツクはだいたい1000文字前後の奴が人気的なの聞いたので、それなら良かったです！期待に添えますように、私なりに頑張りますから、どうぞ宜しくお願いします✨ (2021年12月7日 16時) (
レス) id: 771f7046af (このIDを非表示/違反報告)
鮭るす(プロフ) - 失礼します🙇好きな作品で更新の度楽しく拝見しております☺️私的には一話で充分な話の量で満足度高いかなと感じております...！個人の感想ですが、そのままの構成で全然バッチグーです！これからも更新楽しみです！頑張って下さい✨ (2021年12月6日 23時) (レス) @page29 id: 5e1e537420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：suiren | 作成日時：2021年11月18日 5時
