忘れ物 ページ22
『ど、どど、ど、どうしよう。』
朝起きると蘭くんが居ない。
明日は早いからとは言っていたから
特に驚いてはいないけど、一つ問題が…。
『蘭くん…携帯忘れてる…』
キッチンのテーブルの上に、彼の見慣れた携帯が。
前にちらっと聞いたが、蘭くんは
やはり仕事で高い立場にいる人らしい。
連絡手段とか無いと困るよね。
でも私は彼の仕事について何も知らないし
彼もあまり私に知ってほしそうじゃないから
むやみやたらに何かする訳にはいかない…。
『…弟さんに電話掛けてみるか？』
前に弟さんと同じとこで働いてると聞いた。
名前は確か…｢灰谷竜胆｣さんで、双子の弟だって…。
とはいえ、人の電話帳を勝手に見るのは気が引ける。
履歴の方なら大丈夫かな？
それで蘭くんの浮気発覚とか嫌だけど…。
いや、無いとは信じたいけど…。
でも、蘭くんがお仕事で困ったらどうしよう…。
恐る恐る携帯を開いて履歴の方を開く。
『…は？ヤク中？』
画面に映っている一覧には、弟さんの名前が
殆どだけど、幾つか違う名前のものがあって
そのうちの1つを読み上げる。
謎の名前。仲良いのかな。
ニックネーム的な…。
いやそんな事はどうでもいい。
『竜胆』という項目を選択する。
ﾌﾟﾙﾙﾙ という音が流れる間の時間が
知らない人に掛けるからか、何故か物凄く怖い。
｢…もしもし、兄貴？なに？｣
『あ、えっと、えっと、その、、、』
どうしよう。
なんて言えば良いか考えてなかった。
あれ、電話ってこんなに怖かったっけ？
｢は？誰？兄貴の女？｣
『え？あ、ああ、その、はい。蘭くんの恋人で、
えっとAって言います。
蘭くんが家に携帯忘れて、えっと、えっと…』
咄嗟に｢兄貴の女｣という言葉に反応して
口から成り立っていない日本語がいっぱい出てくる。
頭の中は真っ白だし、もう涙目。
｢あ〜、分かった。何となく理解したから
一回落ち着いて。｣
『…は、はい。すみません…』
・
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スイ(プロフ) - 鮭るすさん» ありがとうございます！占ツクはだいたい1000文字前後の奴が人気的なの聞いたので、それなら良かったです！期待に添えますように、私なりに頑張りますから、どうぞ宜しくお願いします✨ (2021年12月7日 16時) (
レス) id: 771f7046af (このIDを非表示/違反報告)
鮭るす(プロフ) - 失礼します🙇好きな作品で更新の度楽しく拝見しております☺️私的には一話で充分な話の量で満足度高いかなと感じております...！個人の感想ですが、そのままの構成で全然バッチグーです！これからも更新楽しみです！頑張って下さい✨ (2021年12月6日 23時) (レス) @page29 id: 5e1e537420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：suiren | 作成日時：2021年11月18日 5時
