･ 蘭side ページ13
ｽﾞﾋﾞﾋﾞと鼻を啜りながら、
ついてきた映画のパンフレットを何度も読む彼女。
｢まだ泣いてるの？｣
『笑わ"ないでよ"…凄く感動し"たんだよ。』
映画に感動して泣いてるの？
タイムリープ系の恋愛もので最後は
決してハーピーエンドとは言い難いものだったけど。
『あ"の主人公か"わいか"ったよ"』
｢落ち着けって。｣
さっきから何度も俺がおちょくってるせいで
泣きながらムスッとがしてるのが
可愛くて可笑しくて、俺はクスクス笑ってる。
特別顔が整ってる訳でもない普通の女。
特徴といえば外ハネの薄いベージュの髪に
悪そうな吊り目くらい。
ただ一々反応が面白くて、気にしてたら
いつの間にか惹き込まれちゃったんだ。
｢じゃあ次はなんか食べに行くかな〜｣
『う"ん、泣き疲れた"』
｢食べる前に泣きやめよ〜｣
『う"んんん"、ちょっと御手洗。』
そう言ってスタスタと小走りして行った。
キョロキョロしながら
トイレどこか探してんの可愛い。
メイク直しに行ったんだろうね。
今日の彼女はいつもと雰囲気が違って
メイク変えてたし服も似合ってた。
それもこれも全部今日俺の為に頑張ったって思うと
可愛いしホント最高。
そんな風に思いながら休憩スペースの
ソファに腰掛けると、ポケットからﾋﾟﾛﾝと…。
竜胆兄ちゃん今どこ?
仕事中の弟からメッセージが来たっぽい。
蘭映画館。もう出る。飯食いに行くとこだけど、わざわざ兄ちゃんのデート中にどうしたー?
竜胆は?デートとか聞いてねえし。帰りに卵買ってきて。
まあ大体そんな事だろうとは思った。
竜胆は兄ちゃんの扱いが酷いからなあ。
まあ折角別居してんのに飯食う時だけ
料理出来ないからって俺が竜胆の所行くからだけど。
｢了解｣と送信すると、
自分を小さな影が覆って顔を上げた。
『お待たせ』
少し恥ずかしそうに声を掛けて
まだほんのり涙の痕が残ってるのも可愛い。
すぐに携帯なんてしまっちゃって立ち上がり
彼女の手を再びとって恋人繋ぎを完成させる。
『蘭くんなんで手洗った私の手より体温低いの…』
｢昔から体温低いんだよね〜｣
『…私があっためてあげる。』
そう言って小さな手で俺の手をにぎにぎし始める。
…温かいし可愛い。
他の女ならホテル直行だけど
Aちゃんはホントに好きだから、
少しずつ、少しずつ触れていきたい。
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スイ(プロフ) - 鮭るすさん» ありがとうございます！占ツクはだいたい1000文字前後の奴が人気的なの聞いたので、それなら良かったです！期待に添えますように、私なりに頑張りますから、どうぞ宜しくお願いします✨ (2021年12月7日 16時) (
レス) id: 771f7046af (このIDを非表示/違反報告)
鮭るす(プロフ) - 失礼します🙇好きな作品で更新の度楽しく拝見しております☺️私的には一話で充分な話の量で満足度高いかなと感じております...！個人の感想ですが、そのままの構成で全然バッチグーです！これからも更新楽しみです！頑張って下さい✨ (2021年12月6日 23時) (レス) @page29 id: 5e1e537420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：suiren | 作成日時：2021年11月18日 5時
