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くたびれたスーツの男は今日もどこの出身かもわからない女を抱いた。その理由は透明人間の情報を聞き出すため。だが、まともな情報はこれっぽっちも無かった。それでも彼は諦めず、また夜の街へ。
「Aがいたら、叱ってくれるんかな？」
煙草を吸い、煙を吐き出す。女を取っかえ引っ変えするのは印象良くないで、と前にAが言っとったっけ。いま、ここにAはおらんけどAのために女を抱いてるってことを知ったらきっと泣きながら叱ってくれるんやろな。自分を探すためだけに好きでもない女を抱くなんて、と。あーあ、と小さく声をもらして、まだ吸える煙草を捨てた。
『叱るに決まっとるやん。俺のために鬱が悲しくなる思いせんくてええのに』
前に彼が「好きでもない女抱くと、虚しくなんねん」と透明人間に話していた。透明人間は、その感情を悲しみと捉えた。実際、彼の虚しさは悲しさだったのだろう。そのことを思い出して、彼も透明人間も心を痛めた。
「『はやく、戻ってくれへんかなぁ…』」
彼は透明人間に戻ってきて欲しい。透明人間は自分の身体が戻って欲しい。彼らの言葉は重なって消えた。
「声、聞こえてんで、A」
彼は泣きながら、俺もとうとうおかしなったか、と言った。透明人間は、もうその場を去っていた。
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クロ - この小説面白くてとても好きです!更新頑張ってください! (2019年6月24日 18時) (
レス) id: 742d7b4b1c (このIDを非表示/違反報告)
Nana - めっちゃ好きです！更新頑張ってください！ずっと応援してます！ (2019年4月3日 3時) (レス) id: b4c04ad472 (このIDを非表示/違反報告)
しらす(プロフ) - こう言う作品ほんと好き好きちゅっちゅ！更新頑張ってぇ！ (2019年3月23日 9時) (レス) id: 721cc084cb (このIDを非表示/違反報告)
にくとり(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてます！これからも更新楽しみにしてます！頑張ってください！！！ (2019年3月21日 17時) (レス) id: da46d6a5c2 (このIDを非表示/違反報告)
白堊 - 更新来たぁぁってなってました( ﾟーﾟ) (2019年3月17日 10時) (レス) id: cf81f76ffe (このIDを非表示/違反報告)
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