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総統は今日も総統室の窓から検問を眺めていた。自分の仲間がいつ戻ってくるのか。彼の脳内にAが裏切った、又は死んだ。そんな考えはない。彼はAを信用していたし、何より昔からの仲だ。
自分の紅茶と、Aの紅茶をいつも用意して。彼はいつでも、Aが総統室に駆け込んで来て、楽しげに敵国の悪口を言うのを楽しみに待っていた。それがいつもの生活だったから。半年に1回はAが帰ってくると楽しみにしていたのに。
「全然、帰ってこないじゃないか」
ぽつりと窓を眺めて紅茶に口をつけ、そう呟く。ゾムと同じくらい問題児のアイツがいないと、こんなに静かなのか。少し悲しげな顔で窓から顔を背け、机に向かう。机には資料がたくさん乗っており、彼の仕事の忙しさを語っている。その、資料の上に。メモが置いてあった。彼は首を傾げ、そのメモに目を通す。
.
グルッペンへ。
待っててくれたら、話ちゃんと聞かせたる。
楽しみにしとってな。
.
そう書き示されていた。誰かの悪戯だ。だってここには誰もいない。Aはここにいるはずがない。メモを握りしめ、少し掠れた声をもらす。
「A…？」
その言葉に透明人間は頷き、控えめに微笑んだ。
『紅茶、飲めへんけどありがとうな。聞こえてないみたいやけど、グルッペンの声は俺に聞こえてるで』
透明人間の言葉は、総統に届かず、消えた。
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クロ - この小説面白くてとても好きです!更新頑張ってください! (2019年6月24日 18時) (
レス) id: 742d7b4b1c (このIDを非表示/違反報告)
Nana - めっちゃ好きです！更新頑張ってください！ずっと応援してます！ (2019年4月3日 3時) (レス) id: b4c04ad472 (このIDを非表示/違反報告)
しらす(プロフ) - こう言う作品ほんと好き好きちゅっちゅ！更新頑張ってぇ！ (2019年3月23日 9時) (レス) id: 721cc084cb (このIDを非表示/違反報告)
にくとり(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてます！これからも更新楽しみにしてます！頑張ってください！！！ (2019年3月21日 17時) (レス) id: da46d6a5c2 (このIDを非表示/違反報告)
白堊 - 更新来たぁぁってなってました( ﾟーﾟ) (2019年3月17日 10時) (レス) id: cf81f76ffe (このIDを非表示/違反報告)
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