非現実的恋愛論-狐 ページ16
「とっわっぽーん」
「また君ですか…」
そういえば私は君やら貴女やらカスやらしか貴女を呼んだことがない気がする
気付いてない貴女も貴女ですけど
「あの、私…」
「おっ！ふぁんくーん！！」
「メモちんやん！！！あとワトソン君！！」
…ふぁんきぃさんに嫉妬してしまうわこんなの
私はまだ、メモちんとすらも、名前すらも呼んだ事がないのに
「とわぽん？どーしたの？」
「私、貴女の名前を呼んだ事がない」
「…そういえば呼ばれたことないなぁ」
「何の話しとるん？」
「私の名前呼んだことないって話」
「そういえば聞いたことないなぁ」
チラチラ視線送って、バレバレやないですか
…言えと、
仕方ない
「メモちん」
「はぁーいどもどもメモちんでっす」
「いつもの挨拶やんけ！」
「ふぁん君動画見てるねー」
私だって見てますよ、ファンですし
好きですから
恥ずかしいも何も事実だから仕方がない
好きなんだ、この鈍感な平均点を
「相田」
「おっ、苗字知ってたの？まぁ苗字くらい知ってるか」
「苗字相田っていうん？」
「ふぁん君は知らなかったのね、相田ですん、ふぁん君はー？」
…苗字くらい、って？
アホやなぁ
「Aさん」
「何？…何、何？え？知ってたの？」
「何がぁ？」
「Aさん」
「ちょっ、とわぽん？」
「Aさん、好きです」
鳩が豆鉄砲食らったような顔
目を丸くするふぁんきぃさん
…言った
でも、いい
清々しい
「好きです、付き合って下さい」
「え、えっと…え？あ、えっと…」
えっとが多い
つくづくアホやと思うわ
「Aさん」
「…その、こちらこそ…よろしく、お願いします…？」
内心ガッツポーズ俺
まじかよやったぜ
「良かったなぁワトソン君！」
「はい」
「とわぽん、私その…」
「何や？」
「状況がよく…私は…」
「私の恋人になっただけです、別にそれだけやろ」
そう、それだけ
それだけやから、きっと
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作者名：睡眠酸素 | 作者ホームページ：ホームページの追加は禁じます。
作成日時：2017年1月9日 23時
