非現実的恋愛論-兄 ページ15
「家に二人きりってたってドグ兄だしなぁ…」
「何やねんお前、俺何だと思っとるん」
「近所の仲の良い年上」
言ってる事は間違ってない
でも流石に酷ない？
…だいぶ前に、こいつが好きだと自覚した
多分これが最後の恋
とかカッコつけてみたけど俺のキャラちゃうわ
「ドグ兄はドグ兄、何も変わらないよ、私の友達、湯毛ぽ心配し過ぎじゃね？」
「せやなぁ、でも…」
珈琲が濃くて苦い
こいつがいれるのはいつもそうだ
しかも不味い
「俺が、お前を、どう思っとるか、それで決まるやろ」
「どう思ってんの」
何も考えず条件反射に言葉を出す
…悪い癖やなぁホンマ
「糞ガキ」
「はぁ？」
ほら、すぐそうやってムキになる
やめぇや、昔からそうやけど
悪い癖は今のうちに直した方がええで
「クソ生意気で、男と二人きりでも何とも思わないクソ鈍感女」
「ドグ兄！めっちゃ傷付…」
「全部含めて好きやで」
フリーズ、プリーズ
応答、プリーズ
「…ドグ兄、冗談が過ぎるよ」
「冗談？まぁ、いつもの冗談やとか、言うはずないやろ？」
珈琲マッズいなぁ…いれなおそかな
「ドグ兄…私は…」
「何とも思ってないならええで、俺だけお前の好きなだけや、今まで変わらん、ただの近所の友達同士や」
「待って、待ってよドグ兄…」
「俺は別に構へん、お前が気まずいなら引っ越してもええし、お前との仕事も引き受けん」
「ドグ兄、ドグ兄待って、お願い…」
「それが嫌なら忘れろ、忘れてくれた方が俺としてもええわ、お前との仕事めっちゃ楽しいしな」
「…ドグ兄」
「何や」
無視して早口で捲し立てた
…俺別に構へん、とは言ったが
嫌は、嫌やなぁ
…辛いで、今、お前の声聞くのも
「好き、好きとか、ズルいよ…」
「何がや」
「片想い、とか、私の勘違いだったね」
「…メモちん？」
「う…ちょ、顔見ないでお願い」
泣いとる、何でや
待て、その前
お前何て言うた？
片想い？
勘違い？
…何やねん、人惑わせて
性格悪いで、ホンマに
「ドグ兄、好き、私も、好き、だから」
「泣くなや」
「ごめ、嬉しくて…」
そいつは綺麗に笑って見せてくれた
ホンマ、性格悪い
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作者名：睡眠酸素 | 作者ホームページ：ホームページの追加は禁じます。
作成日時：2017年1月9日 23時
