ポーカーフェイスが崩れない(桃) (ページ21)

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ポーカーフェイスになった理由ページ21

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メンバーからの嫌がらせは無視だけではなく

日に日に暴言や暴力なども加わっていった

Ａ「ブスのくせにセンター取っとんなよ」

B「笑ってんじゃねーよ。黙れよ」

C「マジきもーい！グループ抜けてくんない？」

中でも「キモイ」とか「ブス」とか

外見を罵られるのが多く

日に日にアイドルとしての自分に

自信がなくなっていくのも分かった

そしてあの日事件が起きた

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私は社長室にいた

『社長…何でしょうか』

社「色々考えたんだけど

グループ抜けてくれないかな？」

最近薄々と考えてた

[芸能界引退]

自分も辛いし、メンバーにも

迷惑かけると思ってたから

クビを宣告されてもショックではなかった

『…短い間、お世話になりました』

そう言い、社長室を出ようと後ろに振り返ると

急に後ろから抱き締められた

『やっ…やめてください！』

社「最後に…！いいだろ？

こんないい女抱かずに…

ードンッ！！

私は襲われそうになるのを必死に抵抗した

ーバシッ！！

社「ざけんな！！！」

力強く叩かれた頬がじんじんと痛む

……怖いよ

はだける服

乱れる髪

『気持ち悪い…』

私は最後の力を振り絞り

前社長を思い切り押して

社長室を出た

『なんでこんな目ばっかり合うの…泣』

私は必死に走った

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事務所を飛び出すと

1人の通行人と目が合った

「大丈夫？」

『……』

何かをされるんじゃないか…

そう思うと手の震えが止まらない

そんな私の様子を見て

優しく肩にジャケットを掛けてくれた初老の男性

「死にそうな顔してるね笑

近くに私の事務所あるからおいで

そんな姿じゃ街を歩けないだろ？」

優しく微笑む男性に

純粋に暖かさを感じた

だからあの時疑うこと無く私は着いて行ったんだ

…それが今の事務所の社長との出会い

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あんな事があったけど

メンバーにも恵まれ

今はそれなりに楽しくやっている

社長にはほんと感謝してる

だから私は辛い思いをしたけど

芸能界で[マネージャー]として

改めて頑張っていこうと決めた

笑顔を作るのが怖い今

ポーカーフェイスと言う仮面を付けて…

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