押し問答と決意と ページ9
「……信じられん」
『……そう、ですよね』
そりゃそうだ。私だって同じ立場なら頭がおかしくなってるんだろうと思って信じないだろう。
「しかし嘘だとは思えん」
『……は』
「あまりにも突拍子がない話ではある。だがただの村娘が思い付くにはあまりにも無理がある話でもある。それにお前の目は戸惑いを浮かべてはいたが欺こうという目ではなかった」
『え、えっと』
「俺はお前を信用しよう。そしてその技術を教えて欲しい」
『え、えっ！？』
「お前を城に招きたい！！」
『お断りします！！！！！！』
これ以上推しに関わりたくない。
私は推しに認知されたくない派なのだ。
遠巻きのように、空気のように推しが見られればそれでいいのだ。
だから総統様のお誘いも即答でお断りした。
すると不服だったのかむっとしているグルッペン。
「何故だ！！いい環境だぞ！？」
『スマホは差し上げますし知識も全てお伝えします！！質問も分かる範囲でしたらお答えします！！ですからお城はご勘弁ください！！』
「何故だ！！」
『庶民だからです！！』
「客人として迎えてやると言っている！！」
『無理なんです！！』
お互いにはぁはぁと肩で息をする。
グルッペンには悪いがこの件に関しては一歩も譲る気は無い。
しばらくその押し問答が続き、結局グルッペンが折れるといった形でこの言い合いは終了した。
「……仕方ない。折れてやろう」
『申し訳ありません。ありがとうございます』
「とりあえずそのすまほ？とやらは預かっても良いだろうか」
『あ、はい勿論です。なんなら解体していただいても構いません』
「……いいのか？」
『はい。……あ、少々お待ちください』
「？」
思い出して私は自分の部屋に向かう。
部屋のクローゼットの隅には充電ケーブルが纏められていた。
それを手に取りグルッペンの元へ戻る。
『これは充電をするためのものです。こちらもお受け取りください』
「ふむ。受け取ろう」
『はい。また質問等ございましたらお手数お掛け致しますがこちらへお尋ねください』
「分かった」
扉を少し開けて周辺に誰もいないことを確認してからグルッペンを見送る。
スタスタと歩いていくグルッペンを見送って姿が消えてからパタンと扉を閉めた。
ふぅー、と息を吐きながら扉を背もたれにしながらへたり込む。
しばらくして頬をパンっと叩いて決意した。
さぁ、この国からおさらばしよう。
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みかん - おおおおおお面白いっ!!頑張って下さい 失踪しないで貰えると助かります (2020年11月28日 2時) (
レス) id: 400c5ef02d (このIDを非表示/違反報告)
ばか - 神ですか？神ですね (2020年11月27日 20時) (レス) id: c631d10487 (このIDを非表示/違反報告)
レーナ（アンテファン） - 続き楽しみにしてまーす！！！頑張れんこん！ (2020年11月12日 19時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：螢 | 作成日時：2020年10月3日 14時
